アートメイクの施術を検討する際に、もっとも大切なことは何でしょうか。
技術・価格・通いやすさ・付帯サービスの充実度…。考え方は人それぞれです。しかし、絶対に忘れてはならないことがあります。それは、「医師のいる医療機関で施術を受けること」です。
確かに、一部のサロンやエステなどでは今でも無資格者がアートメイクを行っているなどと聞くこともあります。しかし、無資格者による施術は医師法違反になります。
この記事では、アートメイク施術に資格が必要な理由やサロンでの施術がNGな理由について解説します。
この記事を読むことで、アートメイクが医療行為とされる理由や施術が許される有資格者、そして違法なアートメイクを避けるための注意点などについて理解でき、下記のような疑問や悩みを解決します。
こんな事がわかる
- アートメイクの施術内容
- アレルギー反応など副作用について
- アートメイクは、施術に関する技術だけではなく医学的な知識も要求される
- アートメイクが医療行為とされる理由
- アートメイクの施術ができる有資格者について
- 違法なアートメイクを避けるためのポイント
目次
アートメイクは医療行為!医師のいるクリニックでしか施術できません
アートメイクは、適切な方法で行わなければ重大な健康被害が発生するおそれがあります。そのため、医療行為に位置付けられており、医師の管理下でなければ施術ができません。
アートメイクは針などで皮下に色素を入れる施術
アートメイクは、針などで皮膚に傷をつけて皮下に色素を入れる施術です。入れ墨とは異なり、皮膚のごく浅い部分に色素を入れるため、時間とともに徐々に薄くなってくるのが特徴です。
しかし、アートメイクを施す際には皮膚に傷をつけるため、痛みをともないます。そして、きちんとアフターケアをしなければ、施術部位が炎症を起こしたり、化膿したりする可能性があります。また、色素によりアレルギーが起きる可能性も否定できません。
そのため、適切な施術を行うためには、アートメイクの技術だけではなく医学的な知識も要求されます。
アートメイクが医療行為とされる理由
アートメイクは、人の体に傷をつける施術で、さまざまな危険をともなう行為です。また、過去には無資格者の施術で角膜に傷がついた事例や、炎症が長期間続いた事例などが数多く報告されています。
そのため、厚生労働省では「針先に色素を付けながら、皮膚の表面に墨等の色素を入れる行為(アートメイクなど)」を、「医師が行うのでなければ保健衛生上危害の生ずる行為」、つまり「医療行為」と位置付けています。
医師のいないサロンやエステで行われているアートメイクは、すべて違法行為になります。アートメイクの施術は、必ず医師のいる医療機関で受けるようにしましょう。
アートメイクの施術ができる有資格者とは?
アートメイクは医療行為なので、施術を行うためには医師免許が必要です。ただし、一定の条件をクリアすれば、看護師による施術も許されます。
医師による施術はO.K.
医師本人によるアートメイクは、法律上問題ありません。
しかし、医師免許を持っていることと、アートメイクの知識や技術があることは別です。専門外の医師や実績の少ない医師の場合、アートメイクを入れる技術やメイク技術が十分ではないこともあります。
クリニックの公式サイトで医師の経歴が確認できる場合も多いですが、経歴だけでアートメイクの技術を判断するのは難しいものです。できれば写真などで、実際の施術例の仕上がりをチェックしましょう。
看護師の施術は条件付きでO.K.
看護師が、自己の判断でアートメイクを施すのは医師法違反です。
しかし、看護師が医師の適切な指示の下で施術をするのは、医師法違反になりません。それは、看護師は保健師助産師看護師法という法律で、診療補助(医師の指示に従って医療機関で医療行為をすること)が認められているからです。
実際、多くのアートメイクを提供する美容クリニックでは、医師の指示の下で看護師がアートメイクの施術を担当していることが多いです。
医師がいないサロン・エステでは看護師の施術であってもNG!
医師がいないサロン・エステでの施術は、施術者が看護師であっても許されません。
中には、海外での資格取得や提携医療機関があることを理由にアートメイクを行うサロンなどもありますが、海外の資格で医療行為であるアートメイクを日本で行うことはできません。また、提携医療機関があっても、医師がアートメイクに関する指示を出しているわけではないですし、そもそも医療機関ではないため、施術を行えば医師法違反になります。
さらに、アートメイクで使用する機器や針などは、医師でなければ購入できません。その点でも、サロンやエステは何らかの違法行為をしている可能性があります。
予期せぬトラブルを避けるためにも、医師のいないサロンやエステでアートメイクを受けるのはやめましょう。
違法なアートメイクを避けるために注意すべきポイント
アートメイクによる健康被害を防ぐためには、無資格者による違法な施術を避けることが不可欠です。施術を検討する際には、以下の点に注意しましょう。
医師が常駐する医療機関であること
アートメイクは、必ず医師が常駐する医療機関で受けましょう。
提携医療機関があるサロンやエステも多いですが、医療機関で医師が常駐していなければアートメイク施術はできません。また、万が一のトラブルの際も、迅速な対応ができません。
不安がある場合は、カウンセリング時にアートメイクの施術の前に診察と診断を行う医師の名前を確認しましょう。対応があいまいな場合や医師の名前をはっきり出さない場合は、施術をきっぱり断り、トラブルに巻き込まれないようにしましょう。
施術者の経歴まで確認できること
公式サイトなどがある場合は、施術者の資格や経歴もチェックしましょう。医師や看護師の肩書きがない場合は、要注意です。
アートメイクスクールの卒業歴やアートメイクの資格があっても、医師・看護師でなければアートメイクを施すことはできません。特に海外のアートメイクスクールは、医師や看護師でなくても入学できることが多いです。
国内のアートメイクスクールでも、医師や看護師以外を対象としているものがあるので、卒業したアートメイクスクールがわかる場合は入学資格まで調べることをオススメします。
相場に比べて著しく安価ではないこと
アートメイクは自由診療なので、医療機関によって価格に差があります。また、経営努力で施術費用をおさえているクリニックもあります。しかし、相場に比べて著しく安価なクリニックでの施術は、念のため避けたほうが無難でしょう。
価格が安いクリニックの場合、常勤の医師がいなかったり、施術者が看護師以外だったりすることがあるかもしれません。
不安がある場合は、常勤の医師の有無・施術者の資格の有無までしっかり確認しましょう。
【まとめ】アートメイク施術には資格が必要!サロンでの施術がNGな理由
アートメイク施術に資格が必要な理由や、サロンでの施術がNGな理由について解説しました。
この記事では、下記のようなことが分かったのではないでしょうか。
この記事のポイント
- アートメイクは、針などで皮膚に傷をつけて皮下に色素を入れる施術
- アートメイクは適切な方法で行わなければ重大な健康被害が発生するおそれがある
- 医療行為に位置付けられており、医師の管理下でなければ施術ができない
- 厚生労働省ではアートメイクを「医療行為」と位置付けている
- 医師のいないサロンやエステで行われているアートメイクは、すべて違法行為
- 施術後、炎症や化膿、アレルギー反応を起こす可能性がある
- 医師によるアートメイクは法律上問題なし
- 看護師が医師の適切な指示の下で施術を行うことは医師法違反に該当しない
- アートメイクは、必ず医師が常駐する医療機関で受ける必要がある
アートメイクは、比較的気軽に受けることができる施術ですが、針などで皮膚に傷をつけて色素を入れるため危険をともないます。そのため、医師または医師の指示を受けた看護師でなければ行うことができない医療行為とされています。
一方、医師のいないサロンやエステでアートメイクが行われている場合もありますが、それらはすべて違法です。無資格者によるアートメイクは、重大な健康被害をまねくおそれがあります。トラブルを未然に防ぐため、アートメイクは必ず医師が常駐する医療機関で受けるようにしましょう。
トイトイトイクリニックでは、医師が常在し、適切な指示のもとで経験豊富な看護師がアートメイクを担当しています。
今だにエステやサロンでの無資格者の施術によるトラブルが増加しています。アートメイクは医療行為です。トラブルを未然に防ぐため、アートメイクは必ず医師が常駐する医療機関で受けるようにしましょう。
監修医師
医療法人社団雪焔会 トイトイトイクリニック
理事長・統括院長
野田
知路
- Noda Tomonori -
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