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シミ・そばかす・肝斑の違いと見分け方

シミ・そばかす・肝斑の違いと見分け方

男性・女性を問わず、代表的な肌トラブルである「シミ」やくすみ。
年齢とともに肌にシミの数が多くなると、年をとったように感じやすくなります。
実際、20 歳から 60 歳の女性 500 人をターゲットにしたアンケート調査によると、「顔まわりの肌トラブルで気になること」第1位がシミであり、全体の 64.0%の方がシミに悩まれていました。
さらに、頬付近の「Cゾーン」にシミがある写真とシミがない写真を見比べてもらうと、Cゾーンにシミがある写真はない写真に比べて平均「7.4歳」も老けて見られるというデータもあります。
このように、若々しい肌・美しい肌に欠かせないシミ対策。
実はひとくちに「シミ」といっても多くの種類があることをご存知でしょうか。
おそらく女性の中では「シミといえば肝斑」と考える方も多いでしょう。しかし、実際には「雀卵斑(そばかす)」「老人性色素斑」「炎症後色素沈着」「対称性真皮メラノサイトーシス」など多くの種類があります。これだけ種類があると、当然シミのでき方も異なるため治療方針も変わります。
シミの原因自体を間違えて考えていたら、いつまでもよくなりません。そのため、シミケアにとって最も大切なのは「どのようにシミが出来たか」、その見分け方なのです。
今回は、代表的な肌トラブルであるシミの違いとその見分け方について、くわしく解説していきます。

シミ・そばかす・肝斑の違い

シミにはさまざまな種類があります。その原因と症状などをみていきましょう。

「シミ」の原因 その①:炎症後色素沈着

炎症後色素沈着とは、文字通り、ニキビ・湿疹・虫刺されなどの炎症に反応して、シミの元であるメラニンを作り出す細胞(メラノサイト)が過敏に刺激されてできるシミのことです。
他にも洗顔での摩擦・肌に合わない化粧品。ピーリング・傷・火傷も炎症の原因になります。
炎症ができる原因によってシミの出方は違いますが、刺激を受けた場所に一致して、境界がはっきりとしたシミになることが特徴です。茶色から黒色の均一なシミになることが多いとされています。
通常、数か月でシミは消えていきますが、刺激をくりかえし受け続けるとシミが残ってしまいます。そのため炎症が起こっている原因を知り、早めに対処することが大切です。

「シミ」の原因 その②:老人性色素斑

老人性色素斑は、別名「日光色素斑」とも言われ、長期間にわたる日光の刺激により年齢とともにできるシミのことです。
日光にあたりやすい頬骨付近(Cゾーン)に出来やすく、通常は左右対称にできます。境界ははっきりしていて円形から楕円形になっていることが特徴です。
原因は「日光性」といわれていることからわかる通り、紫外線が原因です。
もともとメラニン色素は、紫外線から肌を守るために、メラノサイトから分泌されます。紫外線をたくさん浴びれば、大量の紫外線に肌が適応しないといけないので、徐々にメラノサイトを増殖させて、メラニンを作りやすくなってきます。

通常、メラニン色素は肌のターンオーバーで排出されていきますが、年をとるにつれターンオーバーの周期が遅くなると、メラニン色素も排出されにくくなり、シミが残ってしまうのです。

また老人性色素斑の一部は盛り上がりが強くなり、脂漏性角化症になる場合があります。
脂漏性角化症の場合は角質が厚くなっているので、通常のぬり薬の治療ではなかなか良くなりません。液体窒素による冷凍療法やレーザーを用いた治療を行うことが一般的です。

「シミ」の原因 その③:肝斑

肝斑は、30歳以降の女性にできるシミとして広く知られています。逆に男性にできることは稀です。
Cゾーンを中心とした境界がはっきりした淡い褐色のシミです。老人性色素斑と同じように対称性にできますが、大きさや形は一定しない点で異なります。
紫外線で夏になるとシミが濃くなり、冬になると少しよくなる傾向にあります。
顕微鏡でみると、やや深い皮膚の「基底層」と呼ばれる所にメラニン顆粒が増えています。30代から40代の女性に多く、閉経後には肝斑が薄くなるケースがあること、妊娠やストレスによるホルモンバランスの乱れをきっかけに発症するケースが多いことから、女性ホルモンが関係しているといわれています。
通常のレーザー治療では逆にシミが増えてしまうため禁忌といわれており、「レーザートーニング」と呼ばれている特殊なレーザー照射を行ったり、トラネキサム酸やビタミンCをはじめとした内服薬・ハイドロキノンなどのぬり薬を用いたりすることが一般的です。

「シミの原因 その④:雀卵斑

雀卵斑とは、いわゆる「そばかす」のことです。
3歳ごろから日光があたるところに中心に出てきます。直径 3 ㎜くらいの細かい類円形の褐色のシミが多発することが特徴です。
思春期に一番シミは濃くなりますが、その後、徐々に薄くなっていきます。
家族内発生が多く、遺伝傾向が強いことが特徴です。人種によっても出やすさが異なり、白色人種が一番出やすいとされています。
原因としては、メラニン色素を作りだす「メラノサイト」がメラニン色素を体質として過剰に作りだしてしまうのが原因です。紫外線などに過剰に反応し、本来作る必要のない量のメラニンをつくりだすことで、肌の新陳代謝が乱れてシミができてしまいます。

「シミ」の原因その⑤:後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)

後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)は、別名「両側性太田母斑様色素斑」ともよばれ、比較的新しい概念のシミになります。
頬の部分に、少し青みがかかった数ミリ大のシミが左右対称に散発するのが特徴です。
ここまでいうと、肝斑やそばかすと似ていると感じるでしょう。実際、そばかすや肝斑との鑑別が難しい場合もあります。
境界が比較的明瞭なところや、額の外側の場合は面状にできる反面、頬の部分は粒状にできること、色調がすこし肝斑やそばかすとは異なり「あざ」に近い色調になることなどが、見分けるポイントになります。
原因も、肝斑やそばかすはメラニン色素が「表皮」にあるのに対して、ADM ではメラニン色素が「表皮」よりももっと深い「真皮」に散在しているのが特徴になります。
原因となるメラニン色素が皮膚表面から遠い分、なかなか治療するのが難しい疾患になります。

【まとめ】シミ・そばかす・肝斑の違いと見分け方

今回は、代表的な「シミ」ができる疾患について紹介いたしました。一言で「シミ」といっても色々な疾患があり、最初の診断が非常に大切です。なぜなら診断によって治療の仕方も大きく異なるからです。
まずは自分でセルフケアをしてシミを悪化させてしまう前に、シミ治療を扱っている専門の皮膚科または美容皮膚科で診てもらうことをお勧めします。

監修医師
医療法人社団雪焔会 トイトイトイクリニック
理事長・統括院長

野田 のだ 知路 とものり - Noda Tomonori -

監修医師 トイトイトイクリニック理事長・統括院長 野田 知路

福岡大学医学部形成外科、大手美容皮膚科院長を経て、医療脱毛をメインとする美容皮膚科クリニックを都内(渋谷原宿、池袋)で展開中。
常に自分の家族ならこうしたいと考えるよう心掛け、「家族にも勧められる美容医療」を信条としています。

更新日:
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