ニキビができると、ダメだと知っていても気になって触ってしまうものです。そして、できれば病院にいかず、自分で治したいと思う方も多いのではないかと思います。
そこで今回の記事では、ニキビを病院に行かないで治す、セルフケアの方法についてご説明します。
目次
スキンケアの方法を解説
セルフケアでニキビを治すためには、ニキビが炎症を起こしてひどくならないようにすることが大切です。そのためには「清潔」「保湿」「保護」に基づく、ただしいスキンケアが重要です。
清潔:正しく洗う
科学的な根拠を元に作成された、ニキビの治療指針である「尋常性痤瘡治療ガイドライン2017」では、ニキビができたところを1日2回洗うことが推奨されています。
ニキビができる元となる皮脂、また毛穴が詰まる原因となるような化粧品を洗い流すことが目的です。
洗う際、激しくこすると肌が傷つきますので、優しく洗います。
洗剤は、皮膚への刺激性が低いもの、また「ノンコメドジェニックテスト済み」の製品を使うことがお勧めです。これは、ニキビを作る原因とならないことがテストされた製品であることを意味します。
なおスクラブ(粒子)や殺菌成分の入った製品は、ニキビに対する評価が科学的に定まったわけではありません。ただニキビが悪化するわけではありませんので、あまりこだわらずに使用するとよいでしょう。
保湿
皮膚の表面は、乾燥するとダメージを受けやすくなり、ニキビが悪化する原因となります。そのため、洗ったあとは保湿を心がけましょう。
刺激性の低い、「ノンコメドジェニックテスト済み」のスキンケア製品を利用することをお勧めします。
何とかしたい乾燥肌!保湿力低下の原因とうるおいを維持するスキンケア方法
保護:触らない、刺激しない
またニキビができたところを触ると、手についた雑菌が原因になったり、爪で周辺の皮膚を傷つけてしまったりして、炎症が悪化することがあります。できる限り触らず、ニキビができたところを刺激しないようにします。
どうしても触ってしまうときは、絆創膏などで保護するのも一案です。
ニキビは出すのがよいのか?
皮膚科を受診すると、ニキビの表面に針で穴を開け、ニキビの内容物を押し出すことがあります。これは面皰圧出(めんぽうあっしゅつ)と呼ぶ、ニキビの治療法のひとつです。
面皰圧出により、ニキビの中にたまっている皮脂や膿を出し、ニキビのなかをきれいにすることができます。ただ、同じことをセルフケアとして行うことは、あまりお勧めできません。なぜなら医療機関で行う面皰圧出は、細心の注意を払って清潔に行っているからです。
しかし、もしまだ炎症を起こしていない状態のニキビに対してであれば、皮膚の表面をしっかりと消毒し、市販の面皰圧出器を用いてニキビを出すことは可能です。なお、潰したあとの皮膚を清潔に保つことは、忘れないようにします。
ニキビ治療に使う市販薬を紹介
次に市販薬を用いたニキビの治し方について、ご説明します。
ニキビ治療用市販薬〜イブプロフェンピコノールクリーム
処方箋なしで使用できるニキビ治療薬の成分として、唯一「尋常性痤瘡治療ガイドライン2017」で記載されているのが、炎症を抑える作用を持つイブプロフェンピコノールです。
ガイドラインの推奨度は高くありませんが、「イブプロフェンピコノールクリーム」の使用が、治療法の選択肢の一つとして推奨されています。
以下にイブプロフェンピコノールが含まれているニキビ用クリームを紹介しておきます。
- アポスティークリーム(ゼリア新薬工業株式会社)
- イハダアクネキュアクリーム(資生堂薬品)
- エバユースにきび薬(第一三共ヘルスケア株式会社)
- サンクトリートアクネ(協和薬品工業株式会社)
- フレッシングアクネクリーム(久光製薬株式会社)
- ペアアクネクリームW(ライオン株式会社)
- メンソレータムアクネス25メディカルクリーム(ロート製薬)
- モアファインアクネ(協和薬品工業株式会社)
このクリームを、朝の外出前と夜の就寝前、清潔な状態にした皮膚に塗るのが効果的です。
ニキビ治療用市販薬—その他
その他にも、多数のニキビ治療薬が市販されています。しかし残念ながら、現在のところ確実に効果があることを科学的に検証されたものはありません。
ただ悪化させるものではありませんし、確実に効果がないことが認められたわけでもありません。ご自分にあった製品があれば、使ってみることをお勧めします。
「ノンコメドジェニックテスト済み」—ニキビの治療薬ではありません
ニキビができた肌には、ノンコメドジェニックテスト済みの製品をお勧めしますが、これはニキビを治療する製品という意味ではありません。ニキビができないことを確認した製品という意味です。
テスト方法はメーカーによって多少異なりますが、実際に該当する製品を2〜4週間、一定のルールに従って使用してもらい、皮膚科医が組織レベルでニキビができていないことを判定しています。
セルフケアはここまで大丈夫?
最後にセルフケアの限界、つまり「この状態になれば病院を受診すべき」というポイントを2つご紹介します。
炎症が悪化した場合
ニキビの炎症が悪化してしまうと、状況によっては抗菌薬という細菌を死滅させる薬を使う必要があります。
抗菌薬が入った軟膏や飲み薬は、残念ながら処方箋がないと手に入れることができません。つまり、皮膚科医のいるクリニックや病院を受診する必要があります。
判断の基準ですが、炎症が強くなると、通常ニキビのできているところが赤く腫れます。また痛みが出てくることもあります。このように赤く腫れたニキビが大きくなる、または数が増えてくる場合は、皮膚科医の診療を受けることをお勧めします。
目安としては、炎症を起こしているニキビの大きさが5mmを超える、数も5個を超える場合は、受診を検討した方がよいでしょう。
セルフケアを続けても改善しない場合
セルフケアを続けていてもなかなか改善がみられない場合、ケアの方法を変えた方がよい場合や何か別の病気が隠れている可能性もあります。
数週間経ってもよくならない場合も、クリニックを受診した方がよいでしょう。
【まとめ】ニキビはセルフケアでどこまで治せる?
ニキビのセルフケアについてご説明しました。
大切なことは、ご自身だけであまり頑張りすぎないことです。
きれいに治すためにも、ひどくなる前に、しっかりと専門家による治療を受けることもご検討ください。
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