プラセンタの効果と副作用

監修医師
医療法人社団雪焔会 トイトイトイクリニック
理事長・統括院長

野田 のだ 知路 とものり - Noda Tomonori -

監修医師 トイトイトイクリニック理事長・統括院長 野田 知路

福岡大学医学部形成外科、大手美容皮膚科院長を経て、医療脱毛をメインとする美容皮膚科クリニックを都内(渋谷原宿、池袋)で展開中。
常に自分の家族ならこうしたいと考えるよう心掛け、「家族にも勧められる美容医療」を信条としています。

プラセンタの効果と副作用

プラセンタ療法の話を聞いても、プラセンタの注射を打つことに対し、お悩みの方もおられるのではないかと思います。
いったいどのような効果があるのか、また何よりも副作用はないのか、色々と心配になると、なかなか決断できなくなるのも仕方がありません。
今回は、プラセンタ注射液の効果、また注意すべき副作用について、科学的な論文の結果も交えて説明いたします。

プラセンタ注射液の効果

日本国内のプラセンタ療法で用いられる注射液には、「ラエンネック」と「メルスモン」の二種類があります。
どちらも、厚生労働省から保険診療として認められた治療対象がありますが、その他にも私たちの体に良い効果をもたらすことが報告されています。

肌への効果

肌の健康維持には、皮膚のコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸が重要な役割を担っていますが、これらの成分の元となるのが皮膚の線維芽細胞です。
プラセンタ液は、この線維芽細胞の増殖にビタミンCと同程度の効果を持つという実験結果が報告されています。

プラセンタ液が、肌の美しさを維持することはもちろん、ニキビによる傷跡を改善する効果があるのは、そのためなのです。

またプラセンタは抗酸化作用も併せ持っていますので、紫外線ややけどの影響で皮膚に酸化ストレスが加わっても、プラセンタ注射液を使用することでダメージを最小限に留めることが可能になります。

なお化粧品は皮膚の外からの作用になりますが、プラセンタ液は、体の内側から美肌の元となる細胞に作用することが期待できます。
文字通り内面から美しくなることができるのです。
ちなみに最近は、プラセンタ液が毛根細胞にもプラスに働き、毛髪の成長を促す可能性があることも報告されています。

疲労回復作用

細胞活性化作用のあるプラセンタは、注射することで疲労からの回復がはやまることが知られています。
315人を対象に行われた、疲労回復に関する4週間にわたる調査によると、プラセンタの注射を受けた人たちは、受けなかった人たちより1.7倍も疲労度が改善していました。

また慢性疲労症候群という強い疲労を感じる状態の38人の方達を対象にした研究では、プラセンタの注射を受けた人たちは、受けなかった人たちに比べ疲労感の改善だけでなく、疲労に伴う抑うつ症状、不安も改善し、さらには運動機能まで著しい改善を認めていました。

なお疲労は更年期障害の症状のひとつですが、女性が年齢の基準を満たせば、保険診療の範囲内でメルスモンによるプラセンタ治療を受けることが可能です。

肝臓保護作用

プラセンタの注射液は、肝臓の保護作用を持つことが知られています。
肝臓には、栄養の貯蔵や消化に必要な胆汁を作る機能と合わせて、有害物質を分解して解毒する機能があります。
したがって肝機能が悪くなると、体のなかを良い状態に保つことができなくなってしまいます。
一方、動物実験ですが、プラセンタ注射液は肝臓の細胞の再生を促進する作用や細胞の損傷を予防する効果を持つことが報告されています。

また慢性肝炎や肝硬変を持つ124人を対象にした研究では、プラセンタ注射を2週間行うことで肝機能が有意に改善していました。

このような研究結果をもとに、ラエンネックは慢性肝疾患に対し、保険診療として使用することが認められています。
プラセンタ注射液は、このように私たちの細胞の機能を強めることで、私たちの体を良い状態に保つ働きを強めてくれているのです。

プラセンタ注射の副作用

次にプラセンタ注射液の副作用、また注意すべき点をご紹介しておきます。

アレルギー

プラセンタ注射液に含まれる成分に対し、アレルギー反応を起こす可能性があります。
とてもまれですが、もしプラセンタを注射したあとに発疹、呼吸困難、気分が悪いなどの症状が起こるようなことがあれば、主治医に必ず伝えてください。
場合によっては、その後の治療を見合わせることもあります。

注射部位の痛みや出血

プラセンタの注射液は、皮下あるいは筋肉内に注射します。
その際に、どうしても注射部位の痛みが生じますし、腫れや出血が起こることもあります。
どうしても痛みを避けたい場合は、麻酔作用を持つクリームを使うこともありますので、主治医に相談するのが良いでしょう。
注射部位の腫れや出血は、時間が経つにつれてなくなりますので、ご安心ください。

感染症のリスク

注射製剤は、健康な日本人女性の出産後の胎盤から成分を抽出し、さらに安全性を高めるための処理を施しています。
しかし、ヒトの体に由来する製品(特定生物由来製品)になるため、輸血と同じようにまだ発見されていないウイルスが混入する危険性はゼロではありません。
ただし、注射製剤が使用されるようになって50年近くが経過していますが、これまで感染症が問題となったことは一度もありません。
したがって、感染症の危険性は限りなくゼロに近いと言えます。
しっかりと医師から説明を受け、理解をした上で治療を受けることをお勧めします。

プラセンタ注射は、体を内面から良い状態にしてくれます

もともとプラセンタは、母親が赤ちゃんを育てるためにあるものです。
その成分は、赤ちゃんに作用したのと同じように、私たちの体を内面からより良い状態にするように助けてくれます。
今回ご紹介しなかった効果のほかに、生理不順や月経痛、男性の前立腺肥大、自律神経失調症などにも効果があると言われています。
プラセンタ注射液は、口コミなどでも効果が宣伝されているかもしれません。
そして、ご紹介したように、プラセンタ注射液は科学的な方法でも効果が検証されているのです。