プラセンタの成分の抽出方法と安全性

監修医師
医療法人社団雪焔会 トイトイトイクリニック
理事長・統括院長

野田 のだ 知路 とものり - Noda Tomonori -

監修医師 トイトイトイクリニック理事長・統括院長 野田 知路

福岡大学医学部形成外科、大手美容皮膚科院長を経て、医療脱毛をメインとする美容皮膚科クリニックを都内(渋谷原宿、池袋)で展開中。
常に自分の家族ならこうしたいと考えるよう心掛け、「家族にも勧められる美容医療」を信条としています。

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美容や健康のために注目されているプラセンタ。これは人間や動物(豚、馬など)の胎盤の成分を利用しています。
実際は胎盤そのものを利用するのではなく、なかに含まれている成分を抽出し、安全に使用できるように加工されています。
では具体的にどのような過程を経て、私たちが使用できるようになっているのでしょうか?
今回の記事では、プラセンタから成分を抽出する方法、また安全を確保するためにどのような管理が行われているのかについてご説明します。

プラセンタ成分の抽出方法

まず、プラセンタから成分を抽出する方法についてご説明します。

プラセンタの収集・選別と洗浄

何よりも、プラセンタの原料である胎盤を厳選して収集することが重要です。
その集め方は、対象となる胎盤によって異なりますが、動物であれば国内で衛生管理体制を確立しており、動物に蔓延する感染症がないことが確認できている農場から直接入手します。
また国外からであれば、同様に感染症に汚染されていないことが証明できる国からのみ、正式な輸入手続きを経て入手しています。
また人間の胎盤は、母親の血液検査を行い、肝炎やHIVを含むウイルス感染症の影響を受けていないこと、正常分娩であった胎盤であることを確認して入手しています。
プラセンタは、加工される工場へ搬入される際には冷凍保存されていますが、搬入後は解凍し、形状などに問題のないものだけを選別し、大きな不純物を取り除くために洗浄します。

プラセンタの成分の抽出

洗浄されたプラセンタは、必要な成分を抽出するために処理されます。
プラセンタのエキスには、重要な成分としてさまざまな種類のタンパク質やアミノ酸、脂質・脂肪酸、ビタミンやミネラルなどが含まれています。
大切なことは、これらの重要成分を破壊することなく、必要な成分を抽出することです。
その方法は色々あり、アミノ酸を抽出するためにタンパク質を分解する酵素を利用する方法、細胞内の成分を抽出するために特殊な方法で凍結してから融解する方法などがあります。
このような方法の効果を高めるために、熱を加えたり、振動によるエネルギーを加えたりすることもあります。

不純物の除去

抽出された成分のなかに不純物が混ざることがありますので、精度を高めるために不純物を取り除く作業が必要です。
これは不純物が通過できないフィルターで濾過したり、冷凍と解凍を繰り返したりすることで行うことが一般的です。

滅菌

不純物を取り除いたプラセンタの成分は、長期間保存することができるように熱を加えて滅菌をします。
例えば、人間の胎盤を利用して精製されるプラセンタでは温度、圧力、時間を定め、複数回の高圧蒸気滅菌処理を行っています。
この後、さらに純度を高める作業を加えている製品もあります。

プラセンタの安全性管理

このようにして成分を抽出し精製されるプラセンタですが、安全性はどのように管理されているのでしょうか?主に2つのポイントをご説明します。

収集・精製過程での安全管理

胎盤を収集する過程は、安全管理の面で重要な過程です。
例えば豚であれば、SPF豚という養豚がいます。これはSpecific Pathogen Freeの頭文字で、特定の病原体を持っていないことを意味します。飼育から生産の過程が厳重に管理されていますので、SPF豚の胎盤を使用することは安全性の保証になります。
また以前は、日本国内で牛や羊のプラセンタがよく用いられていました。しかし、1980年後半にイギリスを中心に狂牛病のことが問題になって以降、国内外の牛や羊の胎盤のプラセンタ製剤への使用が禁止されました。
ただその後世界各地で対策が取られたこともあり、2018年2月の、厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理の通知では、狂牛病の病原体の危険性が無視できると判断された国が原産となるウシのプラセンタに限り、使用可能とされました。
現在、日本では狂牛病が発生していないオーストラリアやニュージーランドの羊の胎盤が利用されていますので、安全性は保証されていると言えます。
(出典:https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc3206&dataType=1&pageNo=1)

またプラセンタを精製する過程では、各企業が独自の基準を設けて安全管理を行っています。

安全性試験による管理

独自の安全管理は重要ですが、合わせて企業と利益関係のない第三者が客観的に安全を確認すると、安全性はさらに高まります。
プラセンタは、その使う目的に応じて医薬品・医薬部外品・また健康食品や化粧品などに分類されます。
このうち医薬品は人間のプラセンタを利用したもののみですが、医薬部外品も含め、共に法令によって製造・販売における安全管理の基準が定められています。化粧品も同様です。
また健康食品は、日本健康・栄養食品協会(JHFA)の定める品質規格基準をクリアしたものを使用することで安全性を確保できます。この基準を満たしているプラセンタエキスは、原料の由来が本来や製品の安全性が確認された、安心な製品と言えます。

【まとめ】プラセンタの成分の抽出方法と安全性

プラセンタ製品に含まれる成分の抽出過程、また安全を確保するための方法についてご説明しました。
このような安全に対する取り組みを理解しておくことで、安心してプラセンタを使用することができます。
この記事を参考にすると同時に、もしご自身の使用する製品について詳しく知りたい場合は、製品に関するホームページなどを確認することをお勧めします。