唇のアートメイクで失敗する原因は?予防と対処法も解説

唇のアートメイクで失敗する原因は?予防と対処法も解説

ハリウッドスターやセレブ、女優など魅力的な女性に印象的なパーツといえば、唇。リップにふっくらとしたボリュームがあり艶やかで色が鮮やかだと、それだけで目が奪われますね。
リップは女性らしさを強調できるパーツであるため、美しく整えておくだけで印象がよくなります。口紅やグロスで整えることはできますが、唇そのものの血色や厚み、リップラインによってメイクの効果は左右されます。
メイクをしていない唇にも自信を持ちたいなら、唇のアートメイクがおすすめです。しかし、唇は非常に敏感なパーツであるため、失敗したと後悔している方も少なからずいます。
そこでこのコラムでは、唇のアートメイクで失敗する原因を踏まえ、後悔しないためにできる予防や対処法について解説します。

唇のアートメイクで失敗する原因 ~デザイン~

唇のアートメイクはリップラインそのものを変えることができ、血色の良い女性らしいリップに仕上げることができます。しかし、施術して後悔したという声も。
唇のアートメイクで失敗する原因にはどのようなものがあるのでしょうか。デザインによるもの、施術後の症状によるものと、その原因をふたつに分類してご紹介します。

色が合わず浮いてみえる

唇を覆う皮膚は非常に薄く、毛細血管を流れる血が透けて見えることで、唇は赤みを帯びています。しかし、ストレスや冷えによる血行不良、紫外線や摩擦による色素沈着によって、くすんでみえることがあります。年齢を重ねることでくすみやすくなり、顔の印象まで暗くみえてしまうことも。その点、リップのアートメイクでは唇に色素を入れることで、血色のよいリップに仕上げることができます。
唇のくすみ具合や色味には個人差があり、その人に合った色素でなければ、唇だけ浮いて不自然に目立つこともあります。また、色を濃く入れてしまうと、リップだけメイクをしているように浮いてしまいバランスが悪くなります。
このようなことから、アートメイクによってストレスになるというケースもあるのです。

リップラインが不自然

唇がふっくらとしてボリュームがあるほうが、セクシーで華やかな雰囲気になるもの。唇のアートメイクでは、リップラインを描くことで唇の厚さや形も変えることができます。
リップラインと呼ばれる方法では唇全体に色を入れるのではなく、唇の輪郭から内側に向かってグラデーションをつけながら色素を入れるため、よりリップラインを際立たせ立体感のある唇に仕上げることができます。口紅やグロスが映える施術方法として人気です。
しかし、このリップラインが希望と異なるラインであったり、いびつな形であったりすると、気に入らないばかりか不自然に浮き上がってしまい、素顔で口元だけが目立つことになります。
また、本来の唇よりも大きめにラインを描くオーバーリップでは、唇ではなくその周りの皮膚にラインを入れることになるため、唇と皮膚とで色の違いが出てしまうことも。これは、唇と皮膚では新陳代謝の周期が異なるため、同じ色味を入れても徐々に異なる色に変わるために生じます。
唇は内臓と身体を覆う皮膚とをつなぐ特殊な部位で、粘膜と皮膚の中間のような性質を持っています。そのため、皮膚とは性質もターンオーバーの周期も異なるため、色の違いが出やすいのです。

変色する・色ムラができる

唇のアートメイクでは唇全体の血色を良くするために、まんべんなく色素を入れることも可能です。これはフルリップと呼ばれる施術方法で、唇の血色やくすみ、色が薄いなどの悩みを解消する手段として適しています。唇が明るく色づくだけでも若々しい印象になります。
しかし、変色や色ムラが出ることがあるため注意が必要です。変色は使用したインクや日頃のケア、新陳代謝によって生じることがあります。インクによる変色の傾向としては、黒のインクは青みを帯び、茶色のインクは赤やオレンジ、黄色などの色に変わりやすいといわれています。
色ムラの原因は施術者の技術力ということもありますが、ダウンタイムの過ごし方や炎症、かゆみなどの発症に起因することもあります。色ムラが起きないようポイントを押さえた過ごし方ができれば、回避できるでしょう。

色が消える

唇のアートメイクは眉毛などのほかの部位と比べて、色が消えやすく長持ちしない傾向があります。これは、唇のターンオーバーが早いことに起因します。
通常、皮膚は28日ほどかけて生まれ変わりますが、唇は早ければ3日から1週間ほどで変わります。唇の荒れや傷が治りやすいのはそのためですが、アートメイクにおいては色素が体外に排出されるスピードが早いということになるために、色素の持ちが悪いということになってしまうのです。

唇のアートメイクで失敗する原因 ~唇に現れる症状~

施術後、唇に現れる症状や不快感によって、失敗したと感じる方もいます。アートメイクをしたことで、これからご紹介する症状に悩まされることになり、かえってストレスをためる結果となってしまったという方もいるのです。
どのような症状が予想されるのか、確認しておきましょう。

口唇ヘルペスを発症

アートメイクによる刺激によって、口唇ヘルペスを発症することがあります。口唇ヘルペスは、唇やその周辺に痛みやかゆみを伴う、赤い水ぶくれのようなものが多数出現し、繰り返し発症する感染症です。
単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)と呼ばれるウイルスに感染したことによって起こる症状ですが、アートメイクをすることで感染したということではありません。
一般的に幼少期に感染することが多く、その時点では症状が出ませんが、その後、睡眠不足や体力の低下などによって、免疫力が落ちるとウイルスが活発になり、水ぶくれなどの症状として現れるようになります。
唇のアートメイクの場合は、施術による刺激がきっかけとなり、症状として現れる傾向があるのです。口唇ヘルペスによって水ぶくれやかぶれができた部位には、色素が定着しないため、色ムラの原因にもなってしまいます。

腫れや痛みが続く

唇は皮膚よりも角層が薄く、痛みを感じやすいパーツです。また、唇は感覚神経が発達している部位でもあるので、非常に敏感で痛みにも反応しやすいのです。温度や触感などを感じる神経が、手のひらの次に発達しているといわれているため、施術による痛みを感じやすく、それが持続しやすい傾向があります。
また、粘膜の要素もあるため唇は腫れやすく、1週間ほどは腫れが引かない状態が続くこともあります。針による傷口から雑菌などが侵入した場合、さらに腫れが長引くこともあるため、施術後の過ごし方や体調管理にも注意を払う必要があります。

ダウンタイムが苦痛

施術後1週間ほどのダウンタイムは、注入した色素が定着する非常に大切な期間となります。施術直後は唇のしわが伸びるほどにぷっくりと腫れ、熱を帯び、痛みやかゆみも伴います。二日ほどで腫れや痛み、かゆみが治まっていきますが、それと同時に唇の皮膚が剥がれ始めます。唇の皮がまだらに剥けていくため見た目も悪く、手で取ってしまいたくなるのを我慢しながら過ごすことになるため、ストレスを感じるかもしれません。
しかし、ダウンタイムはアートメイクの仕上がりを左右する大切な期間ですので、次の章で紹介するダウンタイム中の注意点を押さえた過ごし方を心がけることが大切です。

これで安心!唇のアートメイクで失敗しないための予防と対処法

唇は特殊な部位であるために、施術によるダメージを受けやすい傾向があります。しかし、想定される症状を予防し、失敗しないための対処法を押さえておくことで、満足のいくアートメイクを実現することができます。
これからご紹介する6つのポイントを把握したうえで、唇のアートメイクに臨みましょう。

持病・薬歴・体調を把握しておく

施術前にカウンセリングをします。その際には、過去に口唇ヘルペスを発症したことがあるのか、口の周りに炎症やかぶれなどができたことがあるのかなど、唇にまつわる症状について必ず伝えるようにしましょう。
口唇ヘルペスを発症したことがあるということは、体内にウイルスが潜んでいるということ。施術をきっかけに症状が出る恐れがあるため、この情報を踏まえて施術をする必要があります。施術後、一般的には抗ウイルス薬が処方されるため、発症を予防することはできます。しかし、口周りにできものができやすいのであれば、カウンセリング時に伝えておくことで、注意深く観察し素早く処置することができます。
口唇ヘルペスに限らず、現在罹患している病気や服用している薬があれば伝えておくと安心です。なんらかの病気の症状がある場合、身体の免疫力が通常よりも落ちていることもあり、施術後にヘルペスのほか炎症や腫れ、痛みが出やすく、回復もしづらい恐れがあります。カウンセリング時にご自身の現在の体調や持病等について医師に的確に伝えられるよう準備しておきしょう。

ダウンタイム中は安静に過ごす

施術後1週間を安静に過ごすことで、施術による傷の回復を促し、色素の持ちを良くすることができます。特に唇は皮膚より角層が薄いだけでなく皮脂腺が少ないため、皮脂膜で覆いにくい部位です。そのため、唇の水分は蒸発しやすく頬の皮膚の5倍乾燥しやすいといわれているほど。皮膚のように自らうるおいを閉じ込めておく機能が乏しいため、ワセリンやクリニックで処方された軟膏などで物理的に保湿ケアをこまめにする必要があります。
皮が剥けて無理やり剥がしてしまうと、色ムラの原因になるため、ワセリンなどを塗って耐えることも大切です。
並行して唇への刺激を少なくするために、食事のとり方にも気を付けましょう。
熱いものや香辛料などを含む刺激の強いものを口にするときは、ストローやスプーンを使いながらできるだけ唇に触れないように食事をします。
ダウンタイム中は睡眠をしっかりとり、バランスのとれた食事をすることで身体の免疫力を低下させないことが大切です。ウイルス感染を予防するため、生野菜や生魚の摂取は控えるようにしましょう。
また、激しい運動や長時間の入浴は新陳代謝を上げてしまい、色素が定着するのを阻害します。ダウンタイム中はできるだけ安静に過ごすようにしましょう。

経験豊富なクリニックで施術を受ける

アートメイクは、医師や看護師などの有資格者が常駐する医療機関で施術を受けなければなりません。サロンやエステ、個人宅では施術を許されない医療行為であるため、必ず医療機関で施術を受けることが重要です。
また、医療機関であっても経験豊富な施術者に依頼することで、希望通りの口元になることができるもの。ご自身の希望のデザインや色味、唇の厚さなどに近いデザインを得意とするアーティストのほうが、理想を実現しやすくアートメイクの満足度もあがります。事前にそのアーティストの症例や実績を見せてもらったり、ご自身の理想とするデザインを得意とする施術者を紹介してもらったりなど、依頼する施術者の技術力を把握できれば安心して委ねることができるでしょう。

カウンセリングで妥協しない

カウンセリングの前に、希望とするリップの形や色味などを明確にしておきましょう。カウンセリング時にご自身の希望を的確に細かく伝えることができれば、施術者は共通の理想像を描きやすいため、より希望に近い唇を実現することができます。理想とする唇の写真などがあれば持参するのもいいでしょう。
施術者と共通認識を持つことができれば、ご自身の希望にはフルリップが適しているのか、リップライン、オーバーリップが適しているのかなど、施術方法についても細かく内容を詰めることができます。これらの手法についても、ある程度の知識を備えたうえであれば、施術者とスムーズにすり合わせができるでしょう。
唇のカラーについても、よく相談することが大切です。健康状態によっても唇の色は変わることもあるため、希望とするリップの色が顔色や本来の唇の色と必ずしも合うとは限りません。アートメイクに使用するカラーは種類が多いため、組み合わせて好みの色を再現することができます。希望のリップカラーと、顔色や本来の唇の色から判断されたカラーをすり合わせることも大切です。
どんなに施術者に技術や経験があったとしても、ご自身の希望が的確に伝わっていなければ理想を実現することはできません。細かいオーダーができるよう、カウンセリング前に要望や悩み、理想のリップについて考えをまとめておきましょう。

施術は複数回受ける

唇のアートメイクは1度の施術で終わらすよりも、複数回受けたほうが色素の定着もよく、自然な仕上がりを期待できます。1度に色を濃く入れてしまうと、どうしても不自然な色味、形となり、いかにもアートメイクを施した感が否めません。2回以上の施術を1年もしくは2年おきに施すことで、ナチュラルで美しい色味を持続させることができます。
クリニックによっては、施術2回をまとめて契約すると割安になったり、リタッチとよばれる修正がお得に受けられたりと、さまざまなサービスもあるため、これらを活用しながら変色や色ムラのない美しい状態をキープしましょう。

デザインは徐々に入れる

唇のアートメイクでは、口角を上げたり、オーバーリップで唇を厚く魅力的に見せたり、上唇をオーバーリップにすることで鼻の下の人中を短く見せたり、リップラインを変えることで理想のリップに近づけることができます。
リップラインのデザインは、唇のみならず唇まわりの皮膚に施すことがありますが、両者の性質の違いにより色素の持ちや変色度合いに違いが現れやすく、不自然なラインになることがあります。これを防ぐためには、徐々にデザインに沿ったナチュラルな色を入れることで解消することができます。唇だけでなく皮膚にも色素を入れる場合は、唇との違いに注意して回数を重ね、少しずつ進めてもらうようにしましょう。

唇の性質を知って賢く対処!

唇は皮膚と異なる性質を持つために、皮膚に施すアートメイクとは違ったリスクや失敗が起こることがあります。
しかし、その違いを理解しておけば予防も可能であるうえ、問題が起きてもすぐに対処することができます。賢く恐れてしっかり対処することで、理想のリップを手に入れることができるのです。
女性だからこそ、リップは鮮やかで艶やかにしておきたいもの。唇のアートメイクで、笑顔をさらに魅力的にしましょう。

監修医師
医療法人社団雪焔会 トイトイトイクリニック
理事長・統括院長

野田 のだ 知路 とものり - Noda Tomonori -

監修医師 トイトイトイクリニック理事長・統括院長 野田 知路

福岡大学医学部形成外科、大手美容皮膚科院長を経て、医療脱毛をメインとする美容皮膚科クリニックを都内(渋谷原宿、池袋)で展開中。
常に自分の家族ならこうしたいと考えるよう心掛け、「家族にも勧められる美容医療」を信条としています。