
アートメイクは、皮膚の表皮と呼ばれる浅い層に針を通して色素を入れることで、自然な肌の色に近づけていく、準医療技術です。
顔でいうと眉毛やヘアラインなどの他に、アイラインやリップなど比較的肌が敏感なところにも行うことができます。
リップのアートメイクの時に注意していただきたいのが、「口唇ヘルペス」とよばれる病気です。一体、どういった病気なのでしょうか。
今回は、リップのアートメイクの時に、たまに起こる病気である「口唇ヘルペス」についてご紹介いたします。
目次
「口唇ヘルペス」とはなにか
口唇ヘルペスとは、くちびるの周りに、水ぶくれのような小さなブツブツができる病気です。さわっていなくても、ピリピリムズムズするような感覚があるのが特徴になります。
原因は、単純ヘルペスウイルスと呼ばれるウイルス感染症です。
子供のころヘルペスウイルスに気づかないまま感染していることが多く、三叉神経節と呼ばれる神経の中にひっそり潜んで感染しています。それが、風邪をひいたり、ストレスがたまったりして、からだの免疫力が低下すると、ヘルペスウイルスが暴れだし、口唇ヘルペスになります。
リップのアートメイクをすると「口唇ヘルペス」になることがある?
答えは「イエス」です。
リップのアートメイクをすると、一時的にせよ、くちびる自体が荒れてしまうことと、からだにも負担になりますので、からだの免疫力が低下して、口唇ヘルペスになることがあります。
もともと口唇ヘルペスを繰り返しやすい方が、リップのアートメイクの時にも口唇ヘルペスになる傾向があります。
「口唇ヘルペス」の治療法
単純ヘルペスウイルスをやっつける抗ウイルス薬が基本になります。
のみ薬の場合と、ぬり薬の場合があり、一般的にはのみ薬のほうが効果は高いとされています。のみ薬は通常1日2回、もしくは1日3回、5日間服用します。
ぬり薬の場合は1日4回、水ぶくれになっている所に塗ります。カサカサしてきて、徐々に薄くなってくれば治療は成功です。
しかし、神経にひそんでいるウイルスまでやっつけることはできません。ですので、からだの免疫力が低下したときに、単純ヘルペスウイルスが表面にでることがあり、くりかえし発症してしまう可能性があります。
「口唇ヘルペス」になったときの日常生活の注意点
口唇ヘルペスは体の免疫力が下がっている証拠です。
バランスのよい食事と、からだを休めて抵抗力をつけるのが基本になります。
ビタミンB群をとり、紫外線もくちびるへの刺激になりますので避けるようにしましょう。
また、ウイルス感染症ですので、他の人にうつしてしまう可能性もあります。
くちびる同士の接触をさけて、自分自身もくちびるに触れないこと、手洗いうがいをこまめにすることが大切になります。水ぶくれの部分は、やぶくと跡に残ってしまう可能性がありますので、やぶかないようにしましょう。
「これってヘルペスかな」と思ったら、早めに相談して治療をうけると、その分早く治りやすいですので、当院のスタッフに気軽にご相談ください。
「口唇ヘルペス」にかからないために
口唇ヘルペスにかかりやすい人は、スキーや旅行に行くたびにかかってしまう方もいます。そのような方は、リップのアートメイクをする前に一度ご相談ください。
また、女性の場合、生理の時はストレスになりやすく、口唇ヘルペスが起こりやすいといわれています。リップのアートメイクを、生理の時に合わせて行うと、からだの負担がさらに重なり、口唇ヘルペスがさらに発症しやすくなります。
自分の生理周期を把握し、生理周期にかからないように、リップのアートメイクの施術日を調整することも大切です。
また、施術日の前後は体を休め、バランスのよい食事をとり、からだの抵抗力をつけておきましょう。
【まとめ】リップのアートメイクをすると口唇ヘルペスになることはある?
今回は、リップのアートメイクの合併症のひとつである、口唇ヘルペスについて、治療法や予防法も含めてお話いたしました。
以前から口唇ヘルペスを繰り返している方は、一度事前に当院スタッフにもご相談していただくとよいでしょう。
監修医師
医療法人社団雪焔会 トイトイトイクリニック
理事長・統括院長
野田
知路
- Noda Tomonori -
