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アートメイク後にMRI検査や画像検査は受けられるの?

アートメイク後にMRI検査や画像検査は受けられるの?

アートメイクは、皮膚の表皮と呼ばれる浅い層に針を通して色素を入れることで、自然な肌の色に近づけていく医療技術です。
浅い層に色素を入れていくので、1年~数年で徐々に退色して、色素がなくなっていくことも特徴です。しかし、比較的長期間、色素が定着しているので、医療検査がきちんと受けられるのか心配な方も多いと思います。
そこで、今回は、MRI検査を中心に、アートメイクをすることで画像検査に何か支障が出てくるのかを中心にお話していきます。

アートメイクで使用する色素について

アートメイクを行う際の色素は、アメリカのFDAという、日本の厚生労働省にあたる組織が認可した植物性由来の成分です。
色素には実は鉄を中心とした金属の成分が含まれています。しかし、FDAの厳しい基準をクリアした製品は、その安全性の高さから、成分量としては、非常にごくわずかしか含まれていません。

MRI検査とは

MRI検査とは、強い磁石とラジオに使われているような電波を用いて体内の状態を画像にする検査です。原理を説明するのは、非常に難しいので簡単に説明すると、体内の水素原子を磁場と電波の力でゆさぶり、原子の状態を画像にしています。ひとことで言えば、電子レンジと似たような原理です。
原理として、強い磁石を使っているので、鉄が多く含まれているペースメーカや脳動脈クリップなど、体の中に金属が含まれている方は検査が受けられない可能性があります。
それでは、色素に金属が入っているアートメイクは、磁石を使うMRI検査を受けられるのでしょうか。

MRI検査を受けるときの注意点

結論から言うと、アートメイクをしていてもMRI検査をうけることが「基本的に」可能です。
仮に、アートメイクがMRI検査に反応したとしたら、原理としては電子レンジと同じなので、熱がこもるような感覚になり、場合によっては「やけど」になります。
しかし、アートメイクの色素に金属が含まれている率はとても少ないので、MRI検査で反応してやけどなどを起こす確率は非常に少ないと考えられます。さらに、アートメイク自体が浅い層で行われるため、仮にMRI検査で反応が起こったとしても表面の軽いやけど程度ですみます。
また、MRI検査がアートメイクに反応して画像の乱れが生じたとしても、表面だけの反応ですので、診断に与える影響は非常に少ないとされています。
このように、アートメイクを受けている方は、基本的にはMRI検査を受けても問題ありません。
しかし、100%安全というわけではなく、ごく一部の方はMRI検査で反応する可能性はあります。ですので、MRI検査を受けられる場合は、問診票などに自己申告し、一度MRI検査を受ける医療機関に相談するとよいでしょう。

他の医療検査を受ける場合

アートメイクを受けた後のMRI検査の安全性について説明してきましたが、レントゲンやCTと呼ばれる歯科などでよく行われる検査についてはどうなのでしょうか?
詳しくみていきましょう。

レントゲン検査の場合

レントゲン検査とは、X線(エックス線)を体に照射することで、体の中を画像にする検査のことです。金属は基本的に濃い白として映ります。
アートメイクの場合は、金属の含有量が非常に少ないので、ほとんど透過性に影響を与えないことがいわれています。ですので、アートメイクをされていても、レントゲン検査は問題なく行うことができます。

CT検査の場合

CT検査(Computed Tomography:コンピュータ断層診断装置) CT検査は、X線を使って身体の断面を撮影する検査です。ようするに、レントゲンの線量をさらに上げて、平面として照射することにより、より精密に体の中のことがわかるようになった検査のことです。
同様に体の中に金属が入っていると、「アーチファクト」といって、体の中の臓器が見えにくくなることがあります。しかし、アートメイクはその含有量が少ないことに加えて、皮膚の表面だけですので、CT検査にはほとんど影響を与えません。

【まとめ】アートメイク後にMRI検査や画像検査は受けられるの?

今回は、アートメイクに対する医療検査を中心にお話しました。
基本的にMRIを含めた医療検査は問題なくおこなうことができますが、
一度検査を受ける前に検査技師さんや主治医の先生に、アートメイクを受けていることをお伝えしたほうがよいでしょう。
また、ご不安な点がございましたら、当院のスタッフにもぜひご相談ください。

監修医師
医療法人社団雪焔会 トイトイトイクリニック
理事長・統括院長

監修医師 トイトイトイクリニック理事長・統括院長 野田 知路

野田 のだ 知路 とものり - Noda Tomonori -

福岡大学医学部形成外科、大手美容皮膚科院長を経て、医療脱毛、アートメイク、糸リフトをメインとする美容皮膚科クリニックを都内(渋谷・池袋・新宿)で展開中。
常に自分の家族ならこうしたいと考えるよう心掛け、「家族にも勧められる美容医療」を信条としています。

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