できてしまったニキビ跡。なんとかきれいに治したいと思う方が多いのではないでしょうか?
でも具体的にどのような治療法があるのか、よくわからない方がおられるかもしれません。
そこで今回の記事では、ニキビ跡のできる理由、また特に美容皮膚科・皮膚科で受けることができるニキビ跡の治療方法について、健康保険が使えるもの、使えないものを区別してご説明します。
目次
ニキビ跡のできる理由
まずニキビの跡ができる理由について、種類別に簡単にご説明します。
発赤(赤み)
ニキビ跡として最も軽い状態が発赤(赤み)です。
ニキビは進行すると毛穴に炎症が起こりますが、炎症が絶えず起こっていると、毛穴の周囲に血管が集まります。その結果、皮膚の発赤(赤み)につながります。
色素沈着
茶色いニキビの跡は、炎症により刺激を受けて大量に産生された皮膚のメラニンが原因です。しかもメラニンが排除されず、そのままニキビ跡として残ってしまった状態です。
クレーター
炎症がひどいと、毛穴周辺の皮膚組織の深いところ(真皮層)が強いダメージを受けます。しかし、何度も炎症を起こしていると十分に傷の修復ができなくなります。その結果、肌の表面が凸凹になった状態がクレーター状のニキビ跡です。
ケロイド
皮膚は傷つくと修復しようとする力が働きます。しかし、過剰に皮膚が修復されてしまうことがあります。
このように修復の過程で作られコラーゲンが増殖し、傷跡が盛り上がった状態になってしまうのが、ケロイド(肥厚性瘢痕)です。
美容皮膚科・皮膚科で受けることができるニキビ跡の治療方法
では、続けて美容皮膚科・皮膚科で受けることができるニキビ跡の治療方法についてご説明します。
保湿剤(保険適応有り)
保湿剤のうち、ヒルロイドのように局所の血流を増やす成分が含まれているものは、ケロイドになった傷跡を改善する作用があります。
使用する際は、できれば入浴後や朝の洗顔後に、しっかりと塗り込むとよいでしょう。そうすることで、局所のマッサージにもなります。
ビタミンA誘導体、C誘導体(保険適応有り・保険適応外)
ビタミンA誘導体であるトレチノインの外用薬は、古い角質を除去する作用があります。その結果、新しい皮膚を作る過程を促進し、クレーター状になったニキビ跡を改善する方向に作用します。
ビタミンC誘導体は、ニキビの炎症を抑えたり、皮膚のメラニンの産生を抑えたりする効果があります。その結果、色素沈着の改善が期待できます。塗り薬(ローション)は保険適応外ですが、内服薬は保険診療として処方することができます。
ステロイド局所注射(保険適応有り)
ケロイドに対して効果があり、使用することがあります。
ステロイドには、ケロイドの原因であるコラーゲンの増殖やニキビによる炎症も抑える作用があります。
局所に注射をするほか、ステロイドを含むテープを局所に貼ることもできます。
ステロイド治療は非常に効果がありますが、局所の血管拡張などの副作用もありますので、使用に際しては医師からしっかりと説明を受けましょう。
外科的切除(保険適応有り)
高度な瘢痕(クレーター)やケロイドなどに対して、外科的に切除することもあります。
ただしケロイドは遺伝的な要素もあり、手術によって皮膚に傷がつくと、またケロイドができることがあります。したがって手術に加え、ケロイドの再発を防ぐ処置も必要となることがあります。
ダーマペン(保険適応外)
ダーマペンは極細針を使用し、肌をあえて傷つけることで、肌本来が持つ自然治癒力を向上させる治療です。
この治癒力によりコラーゲン生成が促進され、ニキビ跡や毛穴の開きなどの肌トラブルの改善をはかります。
ケミカルピーリング(保険適応外)
クレーター状のニキビ跡や色素沈着に使用されることがあります。
グリコール酸、サリチル酸マクロゴールなどの化学物質を用いて、皮膚の真皮層まで剥離することで皮膚の再生を促し、ニキビ跡を改善します。
フラクショナルレーザー治療(保険適応外)
クレーター状のニキビ跡の治療法として行われます。
CO2レーザーと呼ばれる細かいレーザーを皮膚に照射し、真皮の再生を促します。その結果コラーゲンが増殖し、肌の内側からクレーターが修復されます。
クレーターとなったニキビ跡に対して、現時点では最も効果的な治療法とされています。
高周波治療(保険適応外)
同じくクレーター状のニキビ跡の治療法で、高周波エネルギーのレーザーを照射します。
フラクショナルレーザーより広範囲に照射ができ、かつ肌表面への影響も最小限に止めることができます。
マイクロニードルセラピー(保険適応外)
クレーター状のニキビ跡のなかでも、大きく浅いタイプのものに有効な治療法です。
多数の細い針を用いて皮膚に細かい穴を開け、皮膚の持つ修復作用を促すことで、ニキビ跡の凸凹を修正します。
【まとめ】美容皮膚科・皮膚科で受けられるニキビ跡の治療法
ニキビ跡の治療方法についてご説明しました。
ニキビ跡の状態によって、効果のある治療法は異なりますし、健康保険が使える治療法と使えない治療法があります。ただし、これらの治療は専門的な知識と技術が必要ですので、美容皮膚科・皮膚科で受けることが望ましいです。
ニキビ跡を治療したいとお考えであれば、ぜひ美容皮膚科・皮膚科の医師にご相談ください。
監修医師
医療法人社団雪焔会 トイトイトイクリニック
理事長・統括院長
野田
知路
- Noda Tomonori -
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