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ダーマペンで二の腕のブツブツ(毛孔性苔癬)は治せる?

ダーマペンで二の腕のブツブツ(毛孔性苔癬)は治せる?

二の腕にできるブツブツ(毛孔性苔癬)は、若い方によく見られる皮膚疾患のひとつです。
放置しても特に問題はありませんが、適切な治療や生活習慣の見直しなどで改善可能です。また、ダーマペンでも症状の改善を目指せます。

この記事では、毛孔性苔癬の原因や治療法などを解説します。
この記事を読むことで、毛孔性苔癬の症状や治療の選択肢、ダーマペンによる治療の可能性などを理解でき、下記のような疑問や悩みを解決します。

こんな事がわかる

  • 二の腕にブツブツができる原因
  • 毛孔性苔癬の特徴
  • 毛孔性苔癬を改善する方法
  • 毛孔性苔癬に対するダーマペンの効果

なぜ二の腕にブツブツができるのか

まず始めに、なぜ二の腕にブツブツができるのかについてご説明します。

二の腕にブツブツができる病気について

二の腕にできるブツブツと呼ばれる状態は、通常は毛穴に一致してできています。
皮膚は絶えず生まれ変わっており、表面に近いほど古い皮膚が残っています。最も表面に近いのが角質で、表面に近づく皮膚が移行過程でケラチンと呼ばれる成分を蓄積してできたものです。通常角質は、しばらくすると剥がれ落ちていきます。
しかし、この角質が毛穴に詰まり、栓をした状態となった結果、皮膚表面の滑らかさが失われ、ざらざらとした状態となったのが、二の腕にできるブツブツの本態です。
医学的には、毛穴に一致した角質によるトラブルということで、毛孔性角化症と呼ばれます。このうち、ブツブツの状態が慢性化し、絶えずブツブツができている、そのためにサメ肌のようになると、毛孔性苔癬と呼ばれる状態だと思われます。
そのほかニキビが多発したり、毛包に感染を起こしたりすると二の腕にブツブツができることがあります。

毛孔性苔癬について

毛孔性苔癬は、思春期から20歳代の方に多く見られる皮膚疾患で、角化が過剰に起こっている状態です。なぜか二の腕や太ももに多く発生し、加齢と共に落ち着いていくことも知られています。
人にうつる病気ではないかと心配される方がおられますが、他人に感染させることはありません。ただし家族内で発生する、つまり遺伝することはわかっており、特に常染色体優生遺伝という遺伝形式をとります。これは両親のうちどちらかが毛孔性苔癬にかかっていると、その子どもの2人に1人は発症する可能性があるということを意味しています。なお、性別による発症率の違いはありません。
そのほかアトピー性皮膚炎に罹患している、元々肥満体型であるなど、遺伝とは関係ない要素で毛孔性苔癬になりやすくなることもわかっています。

二の腕にできたブツブツの治療法

次に、二の腕にできたブツブツの治療法についてご説明します。

経過をみる

治療法を説明するとしましたので、「経過をみる」ことはないと考える方もおられるかもしれませんが、毛孔性苔癬は10〜20歳の3〜4割にみられる皮膚の状態であると言われています。
比較的よくある状態ですし、場所によっては目立たないこともありますので、あえて治療しないという選択肢もあります。加齢に伴って消退することもわかっていますので尚更です。

外用薬を使用する

二の腕は半袖を着ることになると見える場所ですし、ノースリーブを着ると尚更目立つ場所でもあります。鏡でみたり、いつも目についたりする場所ではありませんが、思春期の女性にとっては、他人の目が気になるところです。
そこで治療法ですが、通常はまず外用薬を利用します。
治療に用いる薬剤の選択肢としては、保湿をしっかりとすることです。続けて角質を溶解する作用のある薬剤を中心に外用薬を選びます。皮膚のターンオーバーを促進させ、角質を軟化させる作用のあるビタミンA誘導体のトレチノインが候補になります。
そのほか角質を溶かすことを目的に、ケミカルピーリングを行うこともあります。これはグリコール酸やサリチル酸を塗布することで、毛孔に詰まっている角質も除去することが可能になります。
これらは、いずれも医療機関を受診し、医師の診断を受けて行うものです。

生活習慣の改善

外用薬を利用しつつ、新たなブツブツを作らないようにするためには、できる限り肌荒れを起こさない生活を送ることが望ましいです。健康的な生活と言われるバランスの取れた食事、適度な運動、ストレスの軽減、十分な睡眠時間の確保などはいうまでもありません。
また直射日光を避けること、スキンケアによりこまめに保湿することも、非常に重要です。

二の腕にできたブツブツに対するダーマペンの治療効果

さらにダーマペンを用いた施術にも治療効果が認められています。
ダーマペンは、細い針を皮下に刺し、あえて傷を作ることで皮膚の持つ自然治癒力を高め、自分の持つ修復力を利用して皮膚の問題を改善する治療方法です。
ダーマペンを利用すると、毛孔が開き、角質の除去につながることが期待できます。さらに皮膚の再生を促しますので、ざらついた皮膚になめらかさを取り戻すことにつながる可能性もあります。
なおダーマペンは、専門的な知識を持つ医師が利用するもので、使用時にはその適応をしっかりと確認しています。

【まとめ】ダーマペンで二の腕のブツブツ(毛孔性苔癬)は治せる?

毛孔性苔癬の改善方法やダーマペンによる治療などを解説しました。
この記事では、下記のようなことが分かったのではないでしょうか。

この記事のポイント

  • 角質が毛穴に詰まって栓をしたような状態になると、皮膚表面の滑らかさが失われてざらつき感が出てくる
  • 毛孔性苔癬は、毛穴に一致した角質トラブルが慢性化したもので、二の腕にブツブツ(毛孔性苔癬)ができる原因としては、ほかにニキビの多発や毛包における細菌感染などがある
  • 毛孔性苔癬は10~20歳代の3~4割に見られる皮膚疾患で他人に感染することはないが、遺伝が影響しているとされており、アトピー性皮膚炎や肥満などで発症リスクが高くなる場合もある
  • 毛孔性苔癬は加齢にともない消退するため経過観察でも良く、保湿剤やトレチノインの外用、ケミカルピーリングが治療の選択肢になる場合もある
  • 毛孔性苔癬ができないためには、健康的な生活を心がけて肌荒れを防ぐこと、日ごろから肌をいたわることも大切
  • ダーマペンを使用すると角質の除去や皮膚の再生が促されるため、毛孔性苔癬の改善につながると考えられる

毛孔性苔癬は、適切な診断と治療で改善が目指せる皮膚疾患です。
一人で悩まず、ぜひお近くの美容皮膚科クリニックにご相談ください。

監修医師
医療法人社団雪焔会 トイトイトイクリニック
理事長・統括院長

野田 のだ 知路 とものり - Noda Tomonori -

監修医師 トイトイトイクリニック理事長・統括院長 野田 知路

福岡大学医学部形成外科、大手美容皮膚科院長を経て、医療脱毛、アートメイク、糸リフトをメインとする美容皮膚科クリニックを都内(渋谷・池袋・新宿)で展開中。
常に自分の家族ならこうしたいと考えるよう心掛け、「家族にも勧められる美容医療」を信条としています。

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