ニキビができると「跡が残ってしまうのでは?」と心配しておられる方も多くおられるのではないかと思います。
跡が残ってしまうと、大切な肌に一生に残る傷がついてしまうことにもなりますので、真剣に対処したいところです。
そこで今回の記事では、ニキビの跡にはどのような種類があるのか、なぜニキビの跡ができるのか、また跡が残らないようにするためにどのような対策を取れば良いのかについてご説明したいと思います。
目次
ニキビ跡の種類とできる原因
まずニキビの跡の種類、また種類別の原因についてご説明します。
発赤(赤み)
そもそもニキビとは、毛穴に皮脂が詰まり、そこで増えたアクネ菌に対する炎症が起こっている状態です。
炎症が起こっている状態では、その場所に炎症に関係する細胞が集まり、発赤(皮膚が赤くなること)、 腫脹(腫れること)、熱感(局所に熱を持つこと)、疼痛(痛み)などの症状を起こします。
炎症が絶えず起こっていると、毛穴の周囲に血管が集まるようになり、次第に皮膚の赤みにつながります。これがニキビ跡として最も軽い発赤(赤み)です。
ただしこの赤みは、悪化しなければ数か月から半年程度でよくなります。
色素沈着
茶色いニキビの跡は、色素沈着が原因です。色素沈着は、皮膚のメラニンが原因となっています。
ニキビの炎症により、メラニンを作る細胞が刺激を受け、大量にメラニンを産生していまいます。作られたメラニンが、排除されずにそのまま残ってしまうことで、シミのようなニキビの跡ができてしまうのです。
クレーター
炎症がひどくなると、毛穴周辺の皮膚組織が強いダメージを受けます。
傷ついた皮膚を人間の体は自分の力で修復しようとします。しかし、特に皮膚の深いところ(真皮層)までダメージを受けると、傷の修復が十分にできなくなってしまいます。
その結果、肌の表面が凸凹になるクレーター(陥凹性瘢痕)ができてしまうのです。
ケロイド
ニキビによって傷ついた皮膚を過剰に修復してしまい、傷跡が盛り上がった状態になってしまうのが、ケロイド(肥厚性瘢痕)です。
コラーゲンの増殖が原因ですが、ケロイドのできやすさは本人の体質、遺伝的要因が影響していると考えられています。またケロイドは、顎やフェースラインなど、肌が引っ張られるところにできやすい傾向があります。
ニキビ跡をクレーターにしない対策
それでは次に、ニキビの跡をクレーターにしない対策についてご説明します。
刺激をしない
まず何よりも、できているニキビを刺激しないことが大切です。
なんども触ってしまったり、炎症が起こっているニキビを潰してしまったりすることが、一般的によくある刺激と言えます。
ニキビができても触らない、どうしても触ってしまうときにはバンドエイドなどを貼ってさわれないようにするなどが、簡単にできる対策です。
また洗顔のときにも、何度もゴシゴシと強く洗うと刺激になります。肌に優しい成分の洗顔剤を選び、こすり過ぎないように注意しましょう。
保湿
肌を保湿することは、肌の表面を刺激から守ることになり、肌の修復を助けてくれます。したがって、適度に保湿することは、クレーターを作らないためにも大切です。
保湿のためにスキンケア製品を使うときは、「ノンコメドジェニックテスト済み」の製品が、肌への刺激も少ないのでお勧めです。
また病院で処方できる軟膏のなかに、保湿だけでなく局所の血行を改善し、傷の治りを促進する作用を持つ、ヒルドイドソフトなどもあります。
紫外線対策
紫外線はニキビの炎症を悪化させてしまう原因となるだけでなく、色素沈着が進む原因にもなってしまいます。
したがってニキビの炎症があるときには、日焼け止めローションをこまめに塗る、帽子や日傘を使うなどして、ニキビのあるところに直射日光が当たらないように工夫しましょう。
クレーター対策(病院でできること)
色々と対処していたにも関わらず、残念ながらできてしまったクレーターに対し、家庭でできることは限られています。
クレーター対策については、皮膚科や美容外科でしかできない治療が必要になります。
例えば、自費診療になってしまいますが、ケミカルピーリング、フラクショナルレーザー治療、高周波治療、最近ではダーマペンなどが挙げられます。
なおケロイドに対しては、保険診療の範囲でできるステロイド薬の注入の効果が認められています。また外科的に盛り上がったところを切り取り、目立たなくする方法もあります。
いずれも少し時間が必要ですし、完全に元通りに治ることは難しいと言われています。
【まとめ】ニキビ跡の原因とクレーターにしないための対策
ニキビ跡の種類、種類別の原因、またクレーターを作らない対策についてご説明しました。
クレーターになってしまうと、完全には治らない可能性があります。できるかぎりできてしまったニキビは悪化させない、またクレーターにならないように、ご自身だけのケアにこだわらず、医療の力をかりるなどして適切に対処することをお勧めいたします。
監修医師
医療法人社団雪焔会 トイトイトイクリニック
理事長・統括院長
野田
知路
- Noda Tomonori -
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