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敏感肌の原因とおすすめのスキンケア

敏感肌の原因とおすすめのスキンケア

カサカサして粉をふいたり、化粧水をつけるとヒリヒリしたりとなにかと肌に不快感を感じやすい・・・それは敏感肌かもしれません。
近年、女性の多くが敏感肌の症状に悩まされているといわれています。紫外線も年々強くなり、空気中に漂う有害物質や細菌の増加などさまざまな要因で陥る敏感肌。もしかして敏感肌かも?と気になる方に敏感肌の原因とおすすめのスキンケアについてご紹介します。

敏感肌ってなに?敏感肌の原因とは

敏感肌とはどのような状態の肌をいうのでしょうか。
敏感肌とよばれる肌質の特徴とその原因、改善策についてご紹介します。

敏感肌とは?

敏感肌とは、肌のバリア機能が低下し、刺激に反応しやすくトラブルを繰り返す肌を指します。実際には医学的な定義はないので、このような症状が生じる肌を総称して広く使われています。具体的にはどのような症状がある場合、敏感肌なのでしょうか。

敏感肌の特徴

  • 服や髪の毛が肌に触れるとかゆい
  • 化粧品がしみる、赤くなる
  • 季節の変わり目、ストレス、体調の変化があるとすぐに肌荒れを起こす
  • 肌が乾燥しやすい、粉をふきやすい
  • 湿疹やかぶれができやすい
  • ニキビなどの吹き出物ができやすい
  • 化粧のりが悪い

このような症状に悩まされているなら、敏感肌かもしれません。では、敏感肌の皮膚ではどのようなことが起きて、不快な症状が現れるのでしょうか。
皮膚のいちばん外側にあり外部と接しているのが表皮です。
表皮は紫外線やホコリ、花粉、ウイルスなどの刺激から身体を保護しています。この表皮のいちばん外側にある角質層とよばれる0.02mmの薄い膜によって、紫外線などの外部刺激から肌が守られているのです。
この薄い膜は細胞がきれいに整列しており、細胞と細胞の間は脂質によって敷き詰められています。この層によって肌の水分が維持されており、肌のうるおいが決まるのです。角質層が水分で満たされていると肌を外部刺激から守るバリア機能が正常に働き、ちょっとした刺激があっても傷つきません。しかし、なんらかの影響で水分が奪われこのバリア機能が低下すると、ウイルスなどが肌に侵入しやすくなり、肌が外部刺激に反応しやすくなります。それと同時に、肌内部の水分も蒸発しやすい状態になるので、さらに乾燥が進み悪循環に陥ります。こうして肌荒れなどの症状が起きるのです。
肌を構成する細胞と脂質が水分で満たされることで、有害物質の侵入をブロックするバリア機能を働かせることができます。敏感肌はこの重要な機能が水分量の低下によって働かず、傷つきやすい状態になっているのです。

敏感肌になる原因

では、なぜ肌に備わっているバリア機能が働かず、かゆみや赤みなどトラブルを起こしやすい敏感肌になってしまうのでしょうか。敏感肌になる原因には、外的要因と内的要因の2つがあります。

外的要因

  • 間違ったスキンケア
  • 紫外線や風、汗、ホコリ、ウイルス、ダニ、服、金属などによる刺激
  • 寒暖差や湿度の変化

肌に合わない化粧品を使い続けたり、肌への刺激が強いやり方でスキンケアをしたりすることで、皮膚がダメージを受けて肌が傷つきやすい状態になることがあります。
また、紫外線やホコリ、ウイルスなどの侵入によって皮膚が傷つき、肌の水分が奪われやすい状態にもなります。乾燥の激しい季節や冷房のきいた部屋など肌の水分が蒸発しやすい環境では、いつも以上に保湿をしなければなりません。

内的要因

  • ストレス
  • 睡眠不足、暴飲暴食、バランスの悪い食事などの生活習慣
  • 生理、妊娠、更年期障害などによるホルモンの変化
  • 加齢

これらの内的要因は肌のバリア機能を低下させるだけでなく、ターンオーバー(新陳代謝)を滞らせます。
通常、成人のターンオーバーのサイクルは約28日といわれています。生活習慣などによって健康状態が悪くなると、新しい皮膚と入れ替わるはずのサイクルが乱れ、肌の持つバリア機能にも支障をきたします。そのため、肌がより敏感になってしまうのです。

敏感肌を改善するために大切なこと

敏感肌をよくするためには、自分の肌に合った化粧品で正しいスキンケアを行うことが大切です。肌への刺激や負担を最小限に食い止めながら肌に必要な水分や油分を補うことができれば、うるおいを維持しやすくなり、バリア機能が働くようになります。
スキンケアと同時に、ライフスタイルを見直しビタミンやミネラルを多く含むバランスのとれた食事や十分な睡眠を心がけることも大切です。
また、生きていればどうしても受けてしまうストレス。ストレスを受けてもそれを発散する自分に合ったストレスの解消法を見つけておくのもよいでしょう。ストレスを減らすことで免疫力も高くなり、肌の再生能力を高めることができます。

化粧品を選ぶときに注意したいこと

敏感肌の場合、化粧品に含まれる成分に肌が反応し、かゆみや赤みを引き起こすことがあります。そのため化粧品を選ぶ際には、敏感肌向けに開発された化粧品を選ぶようにしましょう。
このような化粧品は一般的な化粧品よりも刺激が少なく、敏感肌でも使うことができます。敏感肌の方を被験者としたテストを終えているアイテムなので、比較的安心して使うことができます。また、着色料やパラベン、香料、アルコール、界面活性剤、防腐剤などの刺激の強い成分が少ないアイテムを選ぶようにします。
ただし、敏感肌用の化粧品といっても一人ひとり肌質には違いがあります。初めて使う際には、かゆみや湿疹などの反応が出ないかパッチテストを行ってから使い始めることをおすすめします。購入する前に、サンプルやトライアルキットなどがあれば、自分の肌で試してみましょう。問題がなければそのアイテムの使い方や手順をよく読み、正しい方法で使うことも大切です。商品ごとに使い方も異なるので、効果を存分に享受できるよう説明書や注意書きは必ずチェックしましょう。

敏感肌におすすめのスキンケア

敏感肌のスキンケアは、とにかく肌に負担をかけず摩擦などの刺激を少なくすることが大切です。皮膚を清潔に保ち、バリア機能が正常に働けるような環境をスキンケアで整えてあげることが敏感肌改善への近道です。
それでは敏感肌のスキンケアについてご紹介します。

敏感肌のクレンジング

クレンジングでメイクや余分な皮脂、汚れをしっかり落とします。汚れが残ると毛穴に詰まり、ニキビや肌荒れの原因となります。しかし、敏感肌の場合は洗浄力の強いクレンジング剤で落としすぎると、必要な皮脂やうるおいまで取り除いてしまい、肌の乾燥を悪化させてしまうことにもつながります。
敏感肌の場合は、洗浄力の高いオイルタイプのクレンジングは避け、クリームタイプやミルクタイプのクレンジングをおすすめします。これらのタイプは肌に必要なうるおいを維持しやすく、テクスチャーに弾力性があるので肌との間でクッションの役割を果たし摩擦による刺激を少なくしてくれます。肌に負担をかけずうるおいを残しながらクレンジングできるでしょう。

クレンジングの手順

乾いた手に適量のクレンジング剤をとります。このとき、クレンジング剤が少ないとメイクとよくなじまないだけでなく、肌をこすってしまい摩擦を大きくしてしまいます。必ず適量か少し多めのクレンジング剤で落とすようにしましょう。
肌の上でクルクルと円を描くように滑らせながらメイクとなじませます。目の周りや小鼻、口元は指の腹を使ってやさしくなじませ、1分ほどクレンジングします。手が滑りやすくなり、クレンジング剤の色が肌色になってきたらメイクが浮き上がりメイクとなじんできたサインです。十分なぬるま湯でしっかりすすぎます。このとき水温が熱すぎないように気をつけましょう。お湯の温度が高いと必要以上に肌の皮脂やうるおいまで奪ってしまいます。体温より少し低い35℃くらいの水温が目安です。

敏感肌の洗顔

敏感肌の場合、洗顔は朝と夜の2回のみに留めます。洗いすぎてしまうと皮膚のバリア機能低下につながります。しっかり泡立てることができる洗顔料を使いましょう。
スクラブやメントールが入った洗顔料は肌への刺激が強いので控えます。肌を清潔に保つことも敏感肌にとっては大切なこと。さっと済ませるのではなく、汚れを落として肌のトラブルとなる原因を取り除きましょう。

洗顔の手順

ぬるま湯で顔全体を濡らします。洗顔料を手に取り、空気を含ませるようにしてしっかり泡立てます。キメの細かい泡のほうが肌への負担が軽いのでしっかり泡立てるようにします。
皮脂の分泌が多い額や小鼻から洗い始めて、顔をつつみ込むように泡で覆いやさしく洗います。その後、ぬるま湯でやさしく洗い流します。このとき、髪の毛の生え際や耳の前、あごなどすすぎ残しがないように気をつけます。洗い残しが刺激となって、かゆみや赤みなどのトラブルにつながるので気をつけましょう。
最後に清潔で肌触りのよいタオルでこすらずにやさしくタオルを押さえるようにして水分を拭き取りましょう。

敏感肌の化粧水

敏感肌は水分が皮膚から蒸発しやすくうるおいが保てないため、乾燥がすすみ肌のバリア機能が低下して弱っています。そのため、化粧水による水分の補給は敏感肌改善に非常に大切なステップです。
化粧水を選ぶ際はアルコールやメントールなどの強い刺激の成分や、香料や着色料などの余分なものが入っていないシンプルな化粧水を選びましょう。

化粧水の手順

洗顔後、すぐに化粧水をつけます。清潔な手のひらに化粧水をとったら、手のひらで軽く温めます。その後、肌が乾燥しやすい両頬や目元からこすらず手で押さえるようにつけていきます。
敏感肌の場合はコットンを使わず、手のひらでやさしくなじませるようにつけるのをおすすめします。肌が乾いてきたらさらに化粧水を追加して、重ねづけしていきます。顔全体につけたら、最後に手のひらで顔全体を覆い、ハンドプレスして化粧水を肌に染み込ませます。

敏感肌の乳液

化粧水で与えた水分を肌内部に留めるために必要な油分を乳液やクリームで補います。
乳液を塗ることで、水分や保湿成分を肌で維持しやすくなり、肌が柔らかくなります。化粧水のあとは必ず乳液で肌にフタをするようにしましょう。乳液も敏感肌用に開発されたアイテムのほうが刺激が少なく、保湿効果が高いのでこの機会にぜひ試してみましょう。

乳液の手順

美容液をお使いの際は、乳液の前に美容液で美容成分や保湿成分を補給します。
乳液を少量ずつ両頬、額、あごにおき、やさしく塗り広げていきます。まぶたや目の下などの目元や口元など特に乾燥が気になる部分には重ねて塗りましょう。最後に顔全体を手で覆い、ハンドプレスして肌になじませます。
スキンケアの仕上げとしてワセリンを米粒大ほど手に取り薄く顔全体にのばすと、化粧水や乳液などの水分や保湿成分を全て肌に閉じ込め蒸発しづらくしてくれます。また、ホコリや汗などの外部刺激から肌を守ってくれるので、肌の状態を見ながら試してみましょう。

敏感肌のUVケア

朝のスキンケアでは、UVケアが大切です。特に敏感肌の場合、バリア機能が落ちているため、紫外線によるダメージを受けやすい状態にあります。
一年を通じて、必ずUVケアを怠らないよう心がけましょう。その日のスケジュールによって日焼け止めを使い分けてもよいでしょう。ちょっとした外出であれば、「SPF15~30、PA+~++」程度の日焼け止めで十分です。しかし屋外の活動が長いレジャーやスポーツの際には、度数の高い「SPF30~50、PA++~++++」の日焼け止めの使用をおすすめします。
敏感肌の場合、テクスチャーはミルクタイプやローションタイプのように肌にのびやすくクレンジングで落としやすいものがよいでしょう。

UVケアの手順

乳液と同じ手順で塗り広げていきます。紫外線が直接当たりやすい鼻筋やあごなどには特に念入りに塗ります。しっかり紫外線をガードするためには、塗り直しも大切です。
汗などで落ちてきたら、2~3時間ごとに塗りなおします。ティッシュなどで軽く押さえ、汗や皮脂など余分なものを取り除いてから塗るようにしましょう。

敏感肌にはやさしく丁寧なケアを

ダメージを受けやすく弱っているのが敏感肌。いつも以上にやさしく丁寧なスキンケアを心がけ、睡眠とバランスのとれた食事で自分自身を存分にいたわってあげることが大切です。
心と身体にやさしい生活が敏感肌に活力を与え、ダメージに強い丈夫で美しい肌に導いてくれるでしょう。

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