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プラセンタの更年期障害に対する効果

プラセンタの更年期障害に対する効果

更年期障害に対する治療薬のひとつ、プラセンタについてご存知でしょうか?
実際に治療を受けてみたいが、その効果や副作用などについて、もっとよく知りたいという方もおられるでしょう。
プラセンタは更年期障害の治療に効果があるだけでなく、重篤な副作用の報告もなく、保険診療の範囲での使用も認められています。
今回は、プラセンタとはどのようなものか、更年期障害とはどのような状態か、そして更年期障害に対するプラセンタ療法についてご紹介します。

プラセンタとは

まずプラセンタ、特に医療現場で用いられるプラセンタについて、プラセンタを使用する際の注意点を含めて説明します。

プラセンタとは「胎盤」のこと

プラセンタは英語でplacentaと書きますが、日本語では「胎盤」を意味します。
基本的に母親の胎内で子どもを育てる動物は胎盤を持っており、胎盤を通して母体から子どもに栄養が供給されます。この胎盤から抽出した成分を、医薬品や化粧品として利用できるように精製したものが、プラセンタです。
日本国内では、ヒトの胎盤を利用している製剤と、ブタやウマの胎盤を利用している製剤があります。2020年現在、国内で医薬品として認可されている製剤は、ヒトの胎盤から精製された2種類の注射薬です。
このうちメルスモンという製剤が、更年期障害と産後乳汁分泌不全に保険診療として使用が認められています。

プラセンタに何が含まれているのか

プラセンタには、アスパラギン酸やリジンを含む16種類のアミノ酸,核酸塩基,キサンチン、および6種類のミネラルが含まれているとされています。
精製の過程で安全に利用できるように加熱処理や滅菌処理をされますので、胎盤に由来するホルモンやタンパク質は分解されており、製剤には含まれていません。
なおプラセンタには傷の治癒促進や疲労回復作用なども認められていますが、具体的な有効成分についてはまだ十分に解明されておらず、依然研究が続けられています。

プラセンタを使用する際の注意点

更年期障害に使用するプラセンタは、ヒトの体から成分を抽出する特定生物由来製品であるため、輸血と同じく未知のウイルスなど感染のリスクはゼロではありません。ただ、精製過程でかなり厳重に管理されていることもあり、過去に感染症が問題になったことは一切ありません。
なお認可された医薬品ですので、もし重篤な健康被害が生じた場合は、国の定める副作用救済給付の対象となる可能性があります。

更年期障害とは

次に更年期障害について、その原因や症状、また治療法について説明します。

更年期障害の原因

閉経前後に生じる、卵巣機能低下による女性ホルモン(エストロゲン)の急激な分泌低下が、更年期障害の主たる原因です。
エストロゲンは、月経や妊娠という女性特有の機能や、乳房の成長や肌のツヤといった女性らしさをサポートする作用を持っています。
通常エストロゲンが減少すると、脳からさらにエストロゲンを分泌するよう卵巣に指示が出ますが、指示を受ける卵巣の機能が低下しているため、指示に応じることもできません。
これら身体内の要因に加え、仕事や家族関係などの社会的要因によるストレスが重なり、更年期障害でみられるさまざまな症状が出ることが知られています。

更年期障害の症状と重症度スコア

月経異常、顔のほてりや発汗などの自律神経失調症状、不眠や憂うつなどの精神神経症状が、更年期障害の中心症状となります。
更年期障害の重症度は、簡略更年期指数(Simplified Menopausal Index: SMI)で測ることができます。これは小山嵩夫先生(元東京医科歯科大学産婦人科助教授 / NPO法人更年期と加齢のヘルスケア理事長)が1992年に開発したスコアで、現在では国内で広く使われています。

強く感じる 感じる 時々感じる 感じない
顔がほてる 10 6 3 0
汗をかきやすい 10 6 3 0
腰や手足が冷えやすい 14 9 5 0
息切れ、動悸がする 12 8 4 0
寝付きが悪い、眠りが浅い 14 9 5 0
怒りやすくイライラする 12 8 4 0
クヨクヨする、憂うつになる 7 5 3 0
頭痛、めまい、吐き気がある 7 5 3 0
疲れやすい 7 4 2 0
肩こり、腰痛、手足の痛みがある 7 5 3 0

症状別に、当てはまる重症度の点数を足し合わせて評価します。

合計点 評価
25点以下 異常なし
26〜50点 食事、運動に気をつけてください
51〜65点 更年期・閉経外来を受診しましょう
66〜80点 長期にわたる計画的な治療が必要
81点以上 精密検査に基づいた長期の計画的治療が必要

自分でスコアを付けてみることで、受診や治療を判断する目安になりますので、気になる場合は試してみると良いでしょう。

更年期障害の治療法

減少したエストロゲンを補う、ホルモン補充療法を行うことがあります。漢方薬を加えたり、不眠やイライラが強い時には安定剤を併用したりすることもあります。
精神的要因も更年期障害の発症に影響しますので、食事や運動、生活習慣の改善に取り組み、体と心のバランスを調整することも重要になります。

プラセンタによる更年期障害の治療について

実際、更年期障害に対して、どのようにプラセンタを使用するかについて説明します。

プラセンタによる更年期障害の治療〜保険適応

更年期障害に対し、プラセンタ療法を保険診療で行うためには、まず年齢が45〜59歳であることが必要です。この年齢に該当しない場合は、プラセンタ療法以外の治療法を選択するか、自費でプラセンタ療法を受けていただくことになります。
なおプラセンタ療法に、ホルモン補充療法を併用し、保険を適用することはできません。

プラセンタによる更年期障害の治療〜治療方法

通常初診時に問診を行い、治療開始前に、ホルモン量や肝臓・腎臓の機能を調べる検査を行います。
保険での投与は1日1回1アンプル、週3回までが原則です。
1アンプルに含まれる2 mLのメルスモンを皮下に注射します。
使用開始直後は体調がすぐれないと感じることもあります。ただそのような時でも、治療を継続すると、数ヶ月ほどで体調が良くなります。
理想的には7日間で2回、あるいは10日間で3回、皮下注射します。
費用の目安は、3割負担の方で診察料とプラセンタ注射込みで初診1,500円程度、再診500〜700円くらいになります。
なお治療開始後も、定期的に血液検査を行うことが一般的です。

プラセンタによる更年期障害の治療〜治療効果

プラセンタ療法の効果については、日本や韓国を中心に複数の研究結果が発表されています。
例えば40〜64歳の韓国人女性78人を対象に、更年期障害の症状や疲労に対するプラセンタ療法の効果をみた研究では、8週間のプラセンタ療法を受けたグループの症状が有意に改善していました。

出典:Kong ME. Menopause. 2008;15:296-303.

またプラセンタ療法は、更年期障害に伴う憂うつ気分の改善、薄毛や脱毛を改善する効果も期待できます。

つらい更年期障害にプラセンタ療法をご検討ください

母親がもともと胎内に持っていた胎盤を利用するプラセンタ療法。
更年期障害に効果のあることが科学的に証明されているだけなく、副作用もなく、女性の体に本当に優しい治療法といえます。
つらい症状に悩んでいる方にこそ、プラセンタ療法をご検討ください。

更新日:
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