ビタミンDが含まれる食品と効果は?摂取量の目安も解説

ビタミンDが含まれる食品と効果は?摂取量の目安も解説

ビタミンDは、日光によって皮膚で合成されるビタミンです。
現代人はビタミンD不足と言われており、とくに外に出る機会が少ないビジネスマンやお年寄りでは不足していると考えられます。
ビタミンDが不足すると、骨が軟化し、もろくなることで重大な疾患が引き起こされます。
本記事では、ビタミンDの機能と摂取量の目安を紹介しています。
家にいる時間が長いと感じる方、最近魚を食べていないと感じる方、家族の骨粗しょう症が心配な方はぜひご一読ください。

ビタミンDとは

ビタミンDは「脂溶性ビタミン」と呼ばれ、主に動物性の食べ物に含まれているビタミンです。私たちの全身の細胞に存在し、あらゆる臓器で機能を担っています。
人がビタミンDを取り入れる方法は3つあります。
1つ目は、紫外線の作用によって、皮膚に存在するビタミンDの前駆体が活性体に変化するというものです。
2つ目は食品から摂取する方法です。ビタミンDを多く含む食品を摂ることで、ビタミンDが腸から吸収されます。
3つ目は美容点滴によって摂取する方法です。美容皮膚科などで受けることができ、効率よくビタミンDを摂取できる方法として注目されています。
ビタミンDが不足すると腸におけるカルシウムの吸収が低下するので、骨代謝に影響を及ぼします。
骨の病気と聞くと、お年寄りをイメージしやすいですが、最近はどの世代でもビタミンDの不足が問題視されています。

ビタミンDの1日の摂取量の目安

ビタミンDの1日の摂取量は、年齢や性別によって異なります。
例えば1歳の男児では1日に3.0㎍(マイクログラム)、1歳女児では3.5㎍、成人は男女ともに8.5㎍が目安量として定められています。1
目安量とは厚労省により「ある性・年齢階級に属する人々が、良好な栄養状態を維持するのに十分な量」と定義されています。2
つまり、目安量のビタミンDを摂取することが理想的ということです。
目安として、サケ1切れ(100g)で6㎍、牛乳1カップで2.9㎍、卵で1.1㎍のビタミンDが摂れるとされています。
肉類や炭水化物からはほとんど摂取できないので、注意してください。
ただし、ビタミンDは必要な栄養素であるものの、過剰に摂取した場合、高カルシウム血症や腎障害などの健康障害が起こる可能性があるため、摂りすぎは禁物です。3

ビタミンDが不足しているときの症状

ビタミンDが不足することで引き起こされる疾患には以下のものがあります。

  • 骨軟化症(成人)
  • くる病(小児)
  • 骨粗しょう症性骨折

高齢者において、ビタミンD不足は、特に大腿骨近位部骨折を含む、非椎体骨折のリスクを増加させることが明らかになっています。
大腿骨近位部は股関節のつけ根にあります。この部分を骨折すると歩くことが難しくなり、QOL(生活の質)の著しい低下が懸念されます。
したがって積極的に外に出て日光に当たることや、ビタミンDを含む食品を摂取することで骨代謝を促し、骨折のリスク下げることが重要です。

ビタミンDに期待される効果

ビタミンDは、臨床医療において以下の分野への応用が期待されています。

乾癬

乾癬(かんせん)は、日本に10~20万人の患者さんがいると言われている代表的な皮膚疾患です。
乾癬は肌の一番上にある表皮細胞が異常に増殖し、疾患の悪化に関与することが考えられます。
ビタミンDは表皮細胞の異常な増殖を抑制し、肌で起きている炎症を抑制することで乾癬の治療に使われています。4

がんの罹患・死亡率

複数の研究結果から、血中 25- 水酸化ビタミン D 濃度が高い患者さんでは一部のがんにおいて、罹患率および死亡率の低下が確認されています。
ビタミンDはがん細胞の異常な増殖や転移を抑制するため、がんに対して抑制的に働くと考えられています。5

ウイルス性呼吸器疾患の罹患率

東京慈恵会医科大学のグループによる臨床試験で、学童期の小児(6 歳〜 15 歳)に1日当たり 1,200 IU のビタミン D サプリメントを服用してもらったところ、季節性インフルエンザ(A 型)の発症リスクが 42%減少したと報告されています。
加えてビタミンDは上気道および下気道の呼吸器感染症や市中肺炎との関与も確認されています。6

糖尿病

過去の症例報告から、糖尿病と血中ビタミンD低値、および骨軟化症の合併が報告されています。7
骨の機能だけでなく、ビタミンDは内分泌系の機能にも関与していることが分かります。

うつ病

複数の研究結果から、ビタミンDの不足がうつ病のリスクになることが示唆されています。8
ビタミンDは神経伝達にも関与するため、このような結果が出ていることが考えられます。

ビタミンDを多く含む食品

ビタミンDはサケやマグロ、サバといった大型の魚介類に多く含まれています。
魚はビタミンDが豊富で、かつ一緒にカルシウムも補給できるのでおすすめです。
またレバーやチーズ、卵黄、キノコ類から摂取することも可能です。
同じしいたけでも干しシイタケにすることで、ビタミンDの含有量が増えることが知られています。9
最近では朝食用シリアル、ヨーグルト、マーガリン、豆乳などの製品でビタミンDを強化したものが売られています。
このような背景から欧米では、サプリメントや栄養補助食品が普及しています。
食品から摂取する方法でも、サプリメントから摂取する方法でもかまいません。
ポイントは、自分の生活習慣に合わせた食品を選び、継続的にビタミンDを摂取することです。

【まとめ】ビタミンDは全ての年齢の人に必要な栄養素

ビタミンDは骨の形成だけでなく代謝機能や免疫反応に関与し、健康な生活を送る上で欠かすことのできない栄養素です。
不足すると骨軟化症や高齢者の方では骨粗しょう症になるリスクがあります。
食品から摂取するほかにも、定期的に外で日光を浴びて、ビタミンDの合成を促すことが大切です。
現代人は日光に当たる機会や魚の摂取量が減り、ビタミンDが不足していると言われています。
食事やサプリメントから上手に摂取し、体の健康維持に役立ててください。

参考文献

監修医師
医療法人社団雪焔会 トイトイトイクリニック
理事長・統括院長

野田 のだ 知路 とものり - Noda Tomonori -

監修医師 トイトイトイクリニック理事長・統括院長 野田 知路

福岡大学医学部形成外科、大手美容皮膚科院長を経て、医療脱毛をメインとする美容皮膚科クリニックを都内(渋谷原宿、池袋)で展開中。
常に自分の家族ならこうしたいと考えるよう心掛け、「家族にも勧められる美容医療」を信条としています。