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日焼けの仕組み(メカニズム)と正しい対策や予防について

日焼けの仕組み(メカニズム)と正しい対策や予防について

年々、きびしくなる日差し。クラクラしますよね。
実は、その感覚。気のせいではありません。
気象庁の観測によると、1990年以来、日本の紫外線は増加してきています。
温暖化の影響ともいわれていますが、原因ははっきり分かっていません。
「今年こそは日焼けしたくない!」と思っていても、ついつい日焼けしまった・・・という経験をした方も多いのではないでしょうか。
日焼けすると、肌がヒリヒリ痛むだけではありません。
肌に障害を与え、シミや老化の原因にもなります。
逆に言えば、日焼け対策をして紫外線から肌を守ることで、シミが出来にくくなります。張りのある肌を保ち、若々しい肌に見られるためには、日焼け対策は避けて通れません。
しかし、「日焼け対策は日焼け止めクリームで十分でしょ?」なんて考えていませんか?
日焼けのメカニズムを知っているのと知らないとでは、日焼け止め対策の「質」が変わってきます。
この記事を読んだ後に日焼け止め対策すると、「え?こんなに肌って焼けないの?」と、おどろくことでしょう。
また、この記事はこんな方におすすめです。

  • 今年こそは絶対に肌を焼きたくない方
  • 肌をもっと若々しく見せたい方
  • 日焼けでできるシミを作りたくない方
  • 日焼けでのガンが心配な方

それでは、日焼けの仕組みを知り、メカニズムに基づいた正しい対策や予防について早速みていきましょう。

肌を絶対焼きたくない人、必見!紫外線の「メカニズム」

そもそも「紫外線」とはなんでしょうか。
「紫色」の「外」の「線」と書きますよね。
光は、音と同じく波でできており、波の長さで色が決まっています。
紫色は、目に見える光線(可視光線)の中で、もっとも短い波長の色です。それより短い波長は、目に見える「外」の領域ということで「紫外線」といわれます。

※正確には、紫外線は波長が 10〜400nmの光線のことです。

このことから一言で「紫外線」といっても、実際には色々な波長があることが想像できますね。実際、紫外線には大きく分けて「UV-A」、「UV-B」、「UV-C」に分けられます。
ほとんどは地球のオゾン層に阻まれるため、このうち人間に直接影響を与えるのは、「UV−A」と「UV-B」になります。それぞれについての特徴は次の通りです。

①UV-A

UV-Aは、肌の奥にある真皮にまで届く紫外線です。地表に届く紫外線のうち、約95%を占めます。
UV-Aのエネルギーは弱いのですが、浸透力が高いのが特徴です。雲や窓ガラスをも貫通して肌まで到達します。さらに、20~30%は「真皮」という表面より深いところまで浸透するといわれています。
真皮にまで到達したUV-Aは、真皮で作られるコラーゲンやエラスチンを作る線維芽細胞にダメージを与え、肌の弾力をなくす作用があります。
また、表皮の基底層にあるメラノサイトを刺激し、シミの原因となるメラニン色素を促します。こういったUV-Aによるシミ・シワが積み重なり、「光老化」という肌老化につながっていくと考えられています。
日焼け止めクリームに書かれている、「PA」という表記を見たことはありますか?「+」から「++++」までの4段階で表示され、UV-A をブロックする強さをあらわします。

②UV-B

UV-Bは、全紫外線の約5%を占めます。肌の表面にしか到達しませんが、その分
UV-Aよりもエネルギーが強いことが特徴です。
細胞の核である DNA に損傷を起こし、肌に赤みや炎症を起こさせる日焼け(サンバーン)の原因になります。
さらに、日焼けを防御しようとメラニン色素が活性化されるため、肌が黒くなる日焼け(サンタン)を引き起こします。
まとめると、

  • UV-A:弱いエネルギーで奥まで届き、ゆっくり「光老化」させる
  • UV-B:強いエネルギーで短時間でも肌の表面にダメージを与える

ということですね。
このUV-Bを防ぐための効果指数として、日焼け止めに表記されているものが「SPF」です。1~50の50段階に分かれています。これは、UVBのカット量を表しており、照射量を10倍減らすならSPF=10となります。
ドラッグストアでは、日焼け止めクリームが色々売られていますが、こうした「PA」や「SPF」が高い日焼け止めクリームを塗れば、「日焼け対策」になるのでしょうか。
次に、こうしたメカニズムに基づいた日焼け止めクリームの使い方についてみていきましょう。

「強い」日焼け止めクリームを塗れば問題ない?正しい日焼け止めクリームの使い方

「日焼け止めクリーム」と一言でいっても、実は大きく2つに分かれています。「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」です。

紫外線吸収剤とは

紫外線吸収剤とは、紫外線を吸収し、熱や赤外線などのエネルギーに変化させて紫外線によるダメージを緩和させています。紫外線を吸収するスポンジを肌にのせているイメージです。
メリットとしては、

  • 他の分子を結びつきやすい分、化粧品などの親和性が高く、白浮きしない
  • 少量で紫外線を防ぐ力が強い
  • 透明なので、目立たない

デメリットとしては、

  • 肌の上で熱エネルギーなどに変換する分、敏感肌の人には刺激になる
  • 一部、紫外線吸収剤の成分が身体の中に取り込まれる可能性がある

となります。
一言でいうと、「透明で使いやすく効果も高い分、肌や身体の負担もある」ということです。
つまり、SPFの数値の高い日焼け止めクリームには大体「紫外線吸光剤」が使われているのが想像できますよね。
しかし、敏感肌の方は、変換された熱や赤外線エネルギーでかぶれることがあるので注意が必要ということになります。

紫外線散乱剤とは

紫外線散乱剤は言葉の通り、紫外線を反射・散乱させて皮膚を防御します。ちょうど肌の上にUVカットのベールを巻くイメージですね。
メリットとしては、

  • 天然の無機粉末なので、敏感肌にも使える
  • 熱エネルギーに変換しない分、肌への負担があまりない

デメリットとしては、

  • 白浮きしやすい
  • 効果も紫外線吸収剤よりも効果が弱く、他の成分と配合しにくいことがあげられます。

実際、使用感を優先するとSPF15程度までしか配合できません。
ですので、実際には、この2つを組み合わせることになります。

正しい日焼け止めクリームの使い方

日常生活で日差しの強い場合以外は、SPFが10、PA+以上あれば通常は十分な防護効果があると考えられています。
そのため、紫外線散乱剤を中心にした日焼け止めクリームを使った方が、肌の負担が軽くなります。季節によらない対策が大切です。
日差しが強い場合は、肌への使用感から紫外線吸収剤を組み合わせる必要がありますが、「とりあえず効果の高い日焼け止めクリーム」と考えず、日差しの強さに合わせて調節をした方がよいでしょう。
日焼け止めによる肌への影響を防ぐには、日焼け止めを塗る前に抗酸化作用を持つ保湿剤などを塗っておくことも有効です。紫外線吸収剤で変換された化学物質の悪影響を緩和してくれます。
汗をよくかいたり、スポーツをする場合は、15分おきに塗るのが目安です。伸びがよい日焼け止めクリームほど、汗で落ちやすいので注意が必要です。
このことから「日焼け対策=日焼け止めクリーム」で考えていると、日焼け止めクリームによる肌の負担が強くなるのがわかると思います。
日焼け止めクリームに頼らない、日焼け止めの方法も大切なのです。
では、他にどういった日焼け止め対策をしていけばよいのでしょうか。

日焼け止めクリーム「以外」が「意外」と大切!他の日焼け止め対策

その他の日焼け止め対策として複数ありますが、「なかなか全部するのは大変」という人は、自分ができそうな所から始めていきましょう。

  1. ❶日差しが強まる10~14時頃の外出をできるだけ控えましょう。特に夏場の7月~10月は要注意です。
  2. ❷日傘をさすようにしましょう。クリームよりも日差しそのものをブロックしたほうが、効果が高いのは容易に想像がつきますよね。特に光を吸収する黒い日傘のほうが、効果があります。
  3. ❸つばの広い帽子や長袖の服を着るようにしましょう。特に、帽子はつばのあるものでないと効果がありません。
  4. ❹目のまわりは、一番老化現象が現れやすい場所です。サングラスをかけるようにしましょう。レンズの色の濃さと、紫外線遮断率は比例しないので注意が必要です。また色が濃すぎると瞳孔が開き気味になるので、かえって逆効果の場合もあります。紫外線遮断率を事前に確認するようにしましょう。
  5. ❺冷房などで乾燥した肌は、紫外線の影響を受けやすいので危険です。「夏=乾燥しない」わけではありません。保湿剤を普段から塗るようにしましょう。
  6. ❻日焼けサロンに行く場合は、短時間で一気に肌を焼くのは避けるようにしましょう。

【まとめ】日焼けの仕組み(メカニズム)と正しい対策や予防について

今回は日焼けの仕組み(メカニズム)と正しい対策や予防について解説しました。
「日焼け対策=日焼け止めクリーム」ではないことはわかったのではないでしょうか。
正しい対策を知って、肌を日焼けしないことが、日焼けによるやけどだけでなく、シミやシワの予防にもなります。なによりも、日差しにあたらないようにする心がけが大切です。

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