ビタミンは「必要不可欠」という意味の「Vitamin」から由来されており、人が健康な身体を維持するために必要な栄養素の1つです。自分の身体で合成できないので、サプリメントや食事から摂る必要があります。
生物の種類によって何が「ビタミン」になっているかは違います。
例えば、ビタミンCは最も有名なビタミンの1つですが、ほとんどの動物では自分で合成できるので「ビタミン」ではありません。
そんなビタミンですが、機能によって13種類に分けられています。
ビタミンAは生物の代謝経路にかかわるレチノールやレチノイン酸といった化合物の総称、ビタミンCはコラーゲンの生成に関わる代謝経路に必要なアスコルビン酸などの化合物総称、といった具合です。
今回は、そんな生きるのに必要なビタミンのうち「ビタミンA」について詳しく見ていきましょう。
目次
ビタミンAとは
ビタミンAはレチノール、レチナール、レチノイン酸といった化合物の総称です。
1800年代に初めて発見され、1930年に視覚と関係することがわかり、網膜という意味の「レチナ」からつけられました。しかし、その後、目だけでなく生物の代謝経路に広く関わることがわかり、200年経過した今でも、新しい重要な役割が次々と発見されています。
他にも、緑黄色野菜に含まれているカロテノイドは、身体の中でビタミンAに変わるため、プロビタミンAと呼ばれています。にんじんなどに含まれる「β-カロテン」は食品のパッケージでもおなじみだと思いますが、他にもおよそ50種類ほど確認されています。
では、ビタミンAは具体的にどんな役割があるのでしょうか。
ビタミンAの効果
①視力のもとになる
ビタミンAというと、よく目の機能を上げるサプリメントとして有名ですよね。実際、角膜や網膜の新陳代謝を助け、涙の生成にも不可欠な栄養素です。
特に、視細胞での光刺激反応に関わるロドプシンの合成に必要で、暗い中でものを見るときにロドプシンが不足してしまうと『とり目・夜盲症』になります。
②細胞の成長や分化にも関わっている
実は、ビタミンAの役割は目だけにはとどまりません。
ビタミンAは細胞の成長や細胞がそれぞれの役目を果たすための「分化」にも広く関わっています。そのため、細胞の入れかわりが頻繁に行われる「皮膚」や「腸」、「骨」などでは特に重要なビタミンです。
このため、ビタミンAが不足すると、肌のターンオーバーが乱れるため、皮膚の乾燥が進み、逆に皮膚が固くなる「毛孔性角化症」が起こりやすくなります。
他にも、脱毛、爪の変形、胃腸が弱くなる、骨がもろくなる等の症状が現れることがあります。
③身体の抵抗力をつける
ビタミンAは細胞を正常にする働きを持つため、骨髄と呼ばれるなかの免疫力にも大きく関わります。
人間は、外からの外敵に備えて、元気な状態でも白血球やリンパ球などが常に新しい状態に生まれ変わっています。そのため、こういった細胞も細胞分裂が激しい細胞の1つです。
ビタミンAは白血球やリンパ球の分化や成長にもかかわるのに加えて、気管支や腸の粘膜の免疫に重要な抗体である「IgA抗体」の産生にもかかります。そのため、ビタミンAが不足すると、風邪をひきやすくなり、のどや気管支を痛めやすくなります。
このように、ビタミンAは目だけでなく、免疫力や身体の成長や分化に広く関わっていることがわかると思います。
では、ビタミンAが不足しないように摂取するにはどれくらい食事でとらないといけないのでしょうか。
ビタミンAの1日摂取量の目安
ビタミンAの適正な摂取量について多くの論文で研究されており、そのデータをもとに厚生労働省で1日の推奨する摂取量が決められています。
年齢と性別などで異なっており、以下の表のようになっております。
年齢 | 男性 | 女性 | 妊婦 | 授乳婦 |
---|---|---|---|---|
生後0~6か月 | 400μgRAE | 400μgRAE | 400μgRAE | 400μgRAE |
7~12か月 | 500μgRAE | 500μgRAE | 500μgRAE | 500μgRAE |
1~3歳 | 300μgRAE | 300μgRAE | 300μgRAE | 300μgRAE |
4~8歳 | 600μgRAE | 600μgRAE | 400μgRAE | 400μgRAE |
9~13歳 | 600μgRAE | 600μgRAE | 600μgRAE | 600μgRAE |
14~18歳 | 900μgRAE | 700μgRAE | 750μgRAE | 1200μgRAE |
19~50歳 | 900μgRAE | 700μgRAE | 770μgRAE | 1300μgRAE |
51歳~ | 900μgRAE | 900μgRAE | 700μgRAE | 700μgRAE |
厚生労働省HPより作成
「μgRAE」というのは、「レチノール活性等量」とよばれ、色々な化合物をレチノールで統一した値になります。
少し前までは「IU(単位)」で表記されていました。目安として、「1IU=3μgRAE」として考えてもよいでしょう。
実はビタミンAは取りすぎてもいけません。
なぜなら、ビタミンAは脂に溶ける「脂溶性ビタミン」のため、とりすぎると身体に蓄積して過剰症になるためです。
過剰にとると、頭痛や吐き気、めまいなど過剰症の症状が出てきます。なお、プロビタミンAは、必要な分だけビタミンAとして生合成されるため、過剰症になることはありません。
しかし、実際には成人の推定平均摂取量は600μgRAEくらいのため、不足しがちな栄養素になります。
では、ビタミンAはどんな食品に多く含まれているのでしょうか。
ビタミンAはどういったものからとるといいか
ビタミンA含有量が最も多い食品はレバーと魚油です。
そのほかにも、ビタミンAが多く含まれる食品は牛乳と卵で、これらの食品にはプロビタミンAも含まれています。
一方、プロビタミン Aが最も多い食品は、青菜野菜、オレンジ色や黄色の野菜、トマト製品、果物、植物油などです。
表にまとめてみましたので参考にしてください。
食品 | μgRAE(1食分あたり) |
皮付きで焼いたサツマイモ 1本 | 1403 |
牛レバー油炒め 240ml | 6582 |
冷凍茹でホウレンソウ 1/2カップ | 573 |
ニンジン 生1/2カップ | 459 |
赤ピーマン、甘味種、生1/2カップ | 117 |
マンゴー 生1個 | 112 |
茹でブロッコリー 1/2カップ | 60 |
トマトジュース缶 3/4カップ | 42 |
固茹で卵 大1個 | 75 |
紅鮭 調理済み240ml | 59 |
低脂肪プレーンヨーグルト 1カップ | 32 |
茹で黒目豆(ササゲ) 1カップ | 66 |
油切りしたツナ缶ライト(オイル漬) 240ml | 20 |
厚生労働省HPより作成
【まとめ】ビタミンAの効果と1日の摂取量の目安は?不足するとどうなるかも解説
今回は、ビタミンAについての効果、一日の摂取量などを含めて解説していきました。
ビタミンAは目をはじめ、身体の成長や免疫力などに大きく関わる成分になります。目だけでなく、胃腸や皮膚トラブルを抱えている方、免疫力をつけたい方などにおすすめのビタミンです。
ただし、サプリメントでとると取りすぎてしまう場合もあります。
容量を守って、賢くビタミンAを利用していきましょう。
- 美容
- 健康
- ビタミンA
関連記事
毎日自宅で使えるピーリング石鹸!なめらか肌を叶えるスキンピールバー
肌の表面にある角質は、肌を守る働きもある一方で、蓄積するとざらつきやくすみの原因にもなります。 古い余分な角質を取り除くにはピーリングが効果的ですが、成分や使い方によっては肌荒れなどのトラブルをまねく...続きを読む
美肌を維持するスキンケアの正しい順番
毎日のスキンケアは、自己流でなんとなく続けている方も多いはず。 スキンケアで使うアイテムは数が多く、使う順番を間違ってしまうとその効果は半減してしまいます。毎日の積み重ねが大切なスキンケアだからこそ、...続きを読む
【2021年】年末年始休診日のお知らせ
平素よりトイトイトイクリニックをご愛顧いただき、誠にありがとうございます。 年末年始は下記の通りとさせていただきます。 ============================= 【原宿院の休診日】 ...続きを読む
コラムカテゴリー
施術一覧
- 日焼け
- フェイスパック
- スペシャルケア
- ノンコメドジェニック
- スキンケア
- 日焼け止め
- ニキビ
- ビタミンE
- 鬱
- 美容
- 健康
- ビタミンA