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ワセリンのスキンケアへの活用方法

ワセリンのスキンケアへの活用方法

ワセリンはクリニックで処方されたり薬局やドラッグストアで購入したりして、一度は手にしたことがある方も多いはず。しかし、ワセリンを使い切るほどしっかり活用した経験のない方のほうが多いかもしれませんね。
ワセリンは全身に使うことができる強力な保湿剤です。このワセリンを毎日のスキンケアに取り入れると、乾燥でガサガサした肌とは無縁になるかもしれません。そんな可能性を秘めたワセリンのスキンケアへの活用方法をご紹介します。

ワセリンの効果とは?

ワセリンは身近にあるアイテムですが、ワセリンはどんな原料から作られどういった効果を私たちにもたらしてくれるのでしょうか。ワセリンの原料や効果、種類などワセリンについてチェックしておきましょう。

ワセリンとは?

石油から得られる炭化水素類を精製して、不純物を取り除いたものがワセリンです。
原料が石油と聞くと身体に悪そうなイメージが連想されますが、石油はもともと自然界によって作り出されたもの。天然由来のものが精製によってさらに純度を高められているので石油の性質はなく、中性で刺激性もほとんどありません。
また、ワセリンは医療に使うために開発されたアイテムなので安全性が高くアレルギーも起こしにくいのです。そのため、大人の肌よりもデリケートな赤ちゃんにも使えるスキンケアアイテムとして、広く普及するようになりました。

ワセリンの種類

ワセリンは純度の違いによって種類が分かれています。精製度が低いものは「黄色ワセリン」といわれ、「雑貨品」としてどこでも安く手に入れることができます。
黄色ワセリンをさらに精製したものを「白色ワセリン」といい、これは「医薬品」、「化粧油」として販売されています。医薬品や化粧品に配合されているワセリンのほとんどはこの白色ワセリンです。
白色ワセリンをさらに生成したものを「プロペト」といい純度が高いため、敏感肌やアトピー肌にも使うことができます。
ワセリンの中で一番精製度が高いのがサンホワイトです。
精製され純度が高いワセリンほど、刺激が少なく、酸化しにくいという特性がありますが、保湿効果には違いはありません。
特に肌荒れなどトラブルがない場合は、白色ワセリンで十分保湿することができます。また、種類によって価格にも違いがあるため、肌の部位や状態に合わせてワセリンの種類を使い分けてもよいでしょう。

ワセリンをスキンケアに使うメリット

なぜワセリンをスキンケアに取り入れるとよいのでしょうか。ワセリンの特性から、そのメリットを考えてみましょう。

安全性が高い

赤ちゃんの皮膚は大人よりも薄くデリケート。その赤ちゃんの肌にも使うことができるほど、ワセリンは安全性が高く安心して使うことができます。刺激性も低くアレルギー反応などの副作用もほとんどないため、乾燥や肌荒れがひどい場合にも試しやすいアイテムです。
植物から抽出したオイルや動物由来のオイルは光や湿気によって酸化したり変質したりしやすいもの。しかし、ワセリンは酸化や変質を起こしにくい安定した性質を持っているので、長く安心して使うことができます。

保湿力が高い

ワセリンを肌に塗ると、その油脂が肌の表面に薄い膜を張り、肌内部の水分の蒸発を防いでくれます。ワセリンの油脂が皮脂の役割を果たしてくれるのです。
ある医療機関で実施された研究によって、ワセリン1gと少量であっても塗布することで6時間ほど皮膚の保湿効果を維持することができると示唆されました。
保湿効果だけでなく、その膜は強力であるためホコリや花粉などの外的刺激から肌を守るのにも役立ちます。ワセリンは肌に必要な保湿効果、保護効果を兼ね備えたアイテムといえます。

リーズナブルだから続けやすい

ワセリンはドラッグストアや薬局、スーパーなどで手頃に購入することができます。思い切って購入する高級化粧品と異なり、手に取りやすいアイテムですね。安価であるうえ、使用する量はほんの少量でも十分に効果を得ることができるアイテムなので、使い続けやすくコストパフォーマンスが高いといえます。そのため、量も惜しまず毎日でも使うことができます。

全身に使える

ワセリンはお顔はもちろん、乾燥によって硬くなりがちなかかとやひじ、ひざなど全身に使うことができます。
例えば、パサつきがちな髪や割れてしまいがちな爪にも使用できます。ワセリンの油膜でコーティングして乾燥から守ることで、髪のパサつきを抑え、爪を丈夫にすることができます。
靴擦れを起こしやすいかかとやつま先に塗れば、靴との摩擦から肌を守ることができ症状を緩和することができます。足の指や裏に塗ると、マメができにくくなります。
乾燥が気になる部分に少量を塗布するだけで、水分の蒸発を防ぎ刺激から守ってくれるので、毎日使って身体をいたわってあげたいですね。

ワセリンを使ったスキンケア活用方法

頭のてっぺんから足のつま先まで、全身くまなくケアできるワセリンを使った、スキンケアの活用法をご紹介します。コスパがよく強力に保湿してくれるワセリンで、うるおいを逃さない肌を維持しましょう。

スキンケアの仕上げとして

化粧水や乳液などで普段のスキンケアを終えたら、最後に米粒ほどの量のワセリンを手のひらで温めたら、お顔全体に押しつけるようにして薄く伸ばします。肌の表面にこすりつけるのではなく、なじませるようにやさしく押しながら塗ります。
このようにスキンケアの仕上げにワセリンを塗ることで薄く強力な膜が張られるので、化粧水や乳液の水分の蒸発を防ぎ肌内部に美容成分閉じ込めてくれます。
朝のスキンケアでは日焼け止めを塗りますね。このとき、スキンケアの後にワセリンを塗ってから日焼け止めを塗ります。ワセリンで整えたうえに日焼け止めを塗ると滑りやすくなるので、非常に塗りやすくのびや持ちもよくなります。また、ワセリンが肌を保護しているので、日焼け止めによる刺激や肌への負担を最小限に留めてくれるのです。ワセリンをスキンケアの仕上げとして活用すると、肌のうるおいを長時間キープしてくれますよ。

全身の保湿に

お風呂上りの水分が肌に少し残っている状態で、かかとやひじ、ひざなどかさつきの気になる部分にワセリンを薄く伸ばします。こうすることで、水分で柔らかくなった肌の状態をキープしやすくなります。
また、ハンドクリームとしてワセリンを塗ると水をはじいてくれるので、手荒れに効果的です。冬場、こまめに塗ることで乾燥して荒れがちな手を守ってくれるでしょう。
日焼けでダメージを受けた肌に塗るのもおすすめです。赤くなり熱がこもっている状態が落ち着いたら皮がむけてきます。このとき、化粧水などで水分を与えてからワセリンを塗ることで、日焼けによって失われた水分を肌に閉じ込めることができ、日焼けで受けたダメージからの回復が早まります。必ず、日焼けによる熱が収まってからワセリンを塗るようにします。熱を帯びた状態でワセリンを塗ると、熱を肌に閉じ込めてしまう恐れもあるので注意しましょう。

リップクリームとして

ワセリンは優秀なリップクリームになります。油分でできているため、飲み物など水分を口にしても水をはじくので簡単には落ちません。また、乾燥しがちな唇の保湿に適し、赤ちゃんにも使えるほど刺激性もないので安心して使うことができます。
指先にとって、こまめに塗るようにしましょう。乾燥によって皮がむけるなど気になる時は、ワセリンを唇にたっぷり塗ったら、ラップで覆いパックします。こうすることで唇のうるおいがよみがえり、しわのないうるんだリップを取り戻すことができます。お気に入りの口紅を塗った後に薄くワセリンを塗れば、色落ちを防ぎグロスのようなツヤも与えてくれますよ。

毛穴のクレンジングとして

毛穴のクレンジングにワセリンを使うことができます。ワセリンの油分が毛穴の皮脂とよくなじむので、毛穴に詰まった皮脂を浮かせて落としやすくしてくれるのです。
ワセリンを手で温めたら小鼻など毛穴の気になる部分に円を描くようにしてなじませます。クルクルとマッサージするようになじませたら、ガーゼやコットンなどでやさしく拭き取ります。その後、いつも通りの洗顔をしましょう。ワセリンは水をはじくので、必ずふき取ってから洗顔することでワセリン特有のべたつきも解消され、汚れもさっぱりと落とすことができます。

肌荒れなどでシンプルケアが必要なときに

ワセリンはクリニックで処方されることもあり、刺激がなく安心して使うことができるアイテム。そのため、肌荒れや炎症などトラブルを起こした肌に保湿が必要なとき、肌を保護したいときにも活躍してくれます。
ワセリンには保存料や界面活性剤など肌の刺激となるようなものが入っていないので、肌に余計な刺激を与えることなく保護することができるのです。また、ホコリや花粉、水など外部からの刺激から守ってくれるので、肌の回復を早めることができます。
肌のバリア機能が低下し弱っているときには、刺激の少ない化粧水で水分を与えてからワセリンを塗り、シンプルなスキンケアを試してみましょう。

ワセリンを使うときの注意点

  1. ワセリンには強力な保湿効果がありますが、これはあくまで肌の水分の蒸発を防ぐというもの。
    ワセリンには、水分やうるおいを肌に与える効果や薬効はありません。そのため、ワセリン単体でケアするのではなく、しっかり化粧水などで水分を与えてからワセリンを塗るようにしましょう。
  2. ワセリンはすぐに塗ると、テクスチャーが固いので肌の表面で摩擦を起こし刺激となってしまいます。ワセリンを塗る前に手のひらなどで温めて柔らかくしてから塗るようにしましょう。
  3. ワセリンはどうしてもべたつきが気になるもの。つけすぎてしまうと、肌の表面でよれたり手がべとべとになったりと不快感が残ってしまいます。そのため、ワセリンを使うときは少量をとり少しづつ塗り重ねるようにして使いましょう。余分に塗布してしまったら、ティッシュやコットンでやさしくふき取ります。
  4. ワセリンは基本的に酸化しにくく変質しにくいアイテムではありますが、使用する際は清潔な手でとるか綿棒やヘラなどで取るように工夫しましょう。そうすることで容器内で雑菌が繁殖するのを防ぐことができます。

うるおいを強力にキープしてくれるワセリン

ワセリンは刺激性が低く、赤ちゃんでも使える安心安全なアイテム。
使い方を工夫すれば全身をくまなくケアし、乾燥から肌を守ってくれる救世主にもなってくれます。ワセリンを上手にスキンケアに取り入れることで、肌のバリア機能を守り、ダメージに強い肌作りが可能になります。
コストパフォーマンスもよく手に入れやすいアイテムなので、毎日のスキンケアにプラスして乾燥に負けないうるおい肌をキープし続けましょう。

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