x

ニキビができる原因とは?できる場所と種類について年代・性別に分けて解説

ニキビができる原因とは?できる場所と種類について年代・性別に分けて解説

毎日スキンケアしているはずなのに、なぜかできているのがニキビ。
そんなニキビができる原因を、しっかりと知っておきたいと思っておられる方もおられるのではないでしょうか?
この記事では、ニキビができる原因、性別や年齢別でニキビができる原因やできやすい場所、またニキビの種類について、ご説明します。

ニキビとは

ニキビは医学用語で「尋常性痤瘡(じんじょうせいざそう)」と呼びます。
皮膚科の専門医が集まる「日本皮膚科学会」では、最新の医学情報を分析し、「尋常性痤瘡治療ガイドライン」を2017年に発表しています。

このガイドラインでは、ニキビ(痤瘡)を「毛包脂腺(いわゆる毛穴)を反応の場とする面皰(毛穴が皮脂で詰まった状態)から始まる慢性炎症性疾患であり、炎症軽快後も瘢痕を生じる(ニキビの痕が残る)ことがある」と定義しています。
つまり、毛穴に皮脂がつまり、炎症が起きている状態、それがニキビです。

ニキビができる主な原因

まずニキビができる経過を説明し、続けてニキビができる主な原因を説明します。

ニキビができる経過

通常、ニキビは以下の経過を経てできます。

皮脂分泌が増える

まず毛穴の奥にある皮脂腺から、皮脂の分泌が増えます。
なお皮脂の分泌には、性ホルモンや食事などの生活習慣が影響しています。

毛穴が塞がれる

肌の細胞は、通常絶えず生まれ変わって剥がれ落ちますが、その過程に乱れが生じると毛穴の出口を古い皮膚(角質)が塞いでしまいます。
出口が塞がれると、毛穴のなかで皮脂が詰まってしまいます。

細菌が増え炎症を起こす

出口が塞がれ、皮脂が詰まった毛穴では、その後皮脂を栄養とするアクネ菌(人間の皮膚に常に存在する細菌の一種)が増えます。
アクネ菌が増えると、私たちの体はアクネ菌に対し炎症を起こします。炎症が起きると、炎症を起こした場所が赤く腫れ、痛みも強くなります。適切な治療が行われないと、腫れはさらに大きくなってしまいます。

ニキビができる原因

次にニキビができる原因をいくつか紹介します。

食事

食べ物とニキビの関係は、これまでもいくつか研究がありますが、現時点では確定できるだけの科学的根拠はありません。ただ関係があると予想されているものには、ミルク、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品やチョコレートなどのお菓子類があります。
また食後に血糖値を上げる指標であるグリセミック指数が高い食品(白米、ジャガイモなど)は、ニキビを悪化させる可能性があることが指摘されています。

(出典:Mahmood SN, et al. Diet and acne update: carbohydrates emerge as the main culprit. J Drugs Dermatol. 2014;13(4):428~35).

ストレス・生活習慣

ストレスとニキビの悪化については、例えばライフスタイルの変化など、精神的ストレスがニキビの増加に関係していたという研究報告もあります。

(出典:Chelbus E, et al. Factors affecting the course and severity of adult acne. Observational cohort study. J Dermatolog Treat. 2017 Dec;28(8):737-744. doi: 10.1080/09546634.2017.1329500.)
このほか、睡眠不足や喫煙などの生活習慣も、ニキビの悪化原因となりえるとの報告もあります。

肌質・スキンケア

脂性肌(肌質)や不適切なスキンケアによる不衛生な肌は、ニキビを悪化させる原因です。化粧品や整髪料、シャンプーなどがしっかりと洗い流せていないことが原因となることもあります。

ホルモンバランス

思春期の男性に増える「アンドロゲン」(男性ホルモン)は、皮脂の分泌を増やします。女性も、性ホルモンのバランスが乱れると、中年以降までニキビが見られることがあります。

男女・年代別ニキビができやすい場所

では、次に性別そして年代別に、ニキビができる原因やできやすい場所を説明します。

子どものニキビの原因と出来やすい場所

生後2週頃から2か月頃の赤ちゃんに、ニキビができることがあります。
これは出生直後にホルモンバランスが変化することによって皮脂分泌が増えるためで、顔に多くみられることが一般的です。

中高生のニキビの原因と出来やすい場所〜男女別原因

思春期と言われる10歳頃からみられるようになります。
この時期のニキビは主に脂性肌の人にできやすく、男性ホルモンの影響を強く受けますので、どちらかというと男子に多くみられることが特徴です。
しかし、月経周期の排卵後に増加するホルモンであるプロゲステロンも皮脂分泌を増やす作用があり、生理前の女性もニキビができやすくなります。
また思春期は周りの目が気になる年代でもあるので、ニキビを気にして洗顔をしすぎると、かえって肌を刺激してしまい炎症を起こすこともあります。
額から鼻にかけて、いわゆるTゾーンと呼ばれるところに多くみられます。

大人のニキビの原因と出来やすい場所〜男女別原因

成人になってできるニキビは、女性にも多くみられるようになります。
性ホルモンの影響は多少受けますが、主にストレスや乱れた食生活、不適切なスキンケアなど、その他の原因でニキビができることが増えます。また脂性肌にできることが多かった思春期と異なり、乾燥肌の人にもできる頻度が増えます。
一般的に、男性のニキビは食生活を含む生活習慣が原因となっています。
なお、女性は妊娠するとプロゲステロンの分泌が増加します。プロゲステロンも皮脂分泌を増やす作用がありますので、妊娠期間中はニキビができやすくなることがあります。
また大人のニキビは、Tゾーンだけでなく頬、口周り、顎を含むUゾーン、また背中にもできることがあります。

  • 額/鼻:前髪と触れることで清潔な状態を維持できない、洗髪後にしっかりと洗い流せていない、などが原因として挙げられます。
  • 頬/口周り/顎:ストレスやホルモンバランスの乱れの影響を受けます。肌が乾燥しやすいことも影響します。男性の場合は髭剃りによる刺激が原因となることもあります。
  • 背中:皮脂が出やすい場所ですが、スキンケアを適切にできていないことが原因となります。

ニキビの種類

ニキビの種類について説明しましょう。
ニキビは、大きく分けると炎症を起こしていないニキビと炎症を起こしたニキビの2つに分けられ、大きさなどによってさらに種類が分かれます。

炎症を起こしていないニキビ〜面皰

毛穴に皮脂が詰まった状態で、ニキビの初期段階です。
詰まった毛穴が1〜2mmほどの大きさに白くふくらみ、発疹のように見えます。これを白ニキビということもあります。
この状態が少し進むと、ふくらみの中央が黒く見えることがあります。これは覆われていた初期段階のニキビの表面が開き、毛穴のなかの皮脂が空気にさらされて酸化した状態です。この状態を黒ニキビと呼ぶことがあります。
ここまでの状態はまだ炎症を起こしておらず、面皰(めんぽう)と呼びます。

炎症を起こしたニキビ〜紅色丘疹

面皰(めんぽう)に炎症が起きると、周囲が赤みを帯びてきます。この状態が紅色丘疹(こうしょくきゅうしん)です。別名赤ニキビとも呼ばれます。

炎症を起こしたニキビ〜膿疱・結節

紅色丘疹がさらに大きくなり、膿がたまるようになると膿疱(のうほう)と呼ばれる状態になります。
紅色丘疹はまだ皮膚の表面に止まる炎症ですが、膿疱になると比較的皮膚の深いところまで炎症は及びます。また、丘疹の大きさが5mmを超えると、一般的に結節(けっせつ)と呼ばれる状態です。

炎症を起こしたニキビ〜嚢腫

さらに炎症が進み、大きくなると嚢腫(のうしゅ)と呼ばれる状態です。嚢腫はニキビの重症な状態で、痛みを伴うこともあります。

【まとめ】ニキビができる原因とは?できる場所と種類について年代・性別に分けて解説

ニキビの原因、性別や年代別によくある原因やできやすい場所について解説をしました。
正しく原因を知ることは、適切な対策を考える際の参考になります。ニキビは現代人の肌トラブルでも上位を占める悩みでもあります。
ぜひ今回の記事を、これからのニキビケアにお役立てください。

更新日: