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肌に有効成分を浸透させるエレクトロポレーションとイオン導入の主な違い

肌に有効成分を浸透させるエレクトロポレーションとイオン導入の主な違い

みなさん、美容液や化粧水を使用していて、こんなお悩みはありませんか?
「毎日肌のハリを保つために、いろいろな美容液を使用しているけど、いまいち肌にうるおいが足らない気がする・・・」
「化粧水があっていないのか、最近、肌の衰えが気になってきた・・・」
「美容液や化粧水をつけていても、どこまで肌に浸透しているのか気になる・・・」
このように美容液や化粧水が肌に浸透せずに悩んでいる方におすすめなのが、肌の奥深くに美容成分を浸透させることのできる医療技術「エレクトロポレーション」や「イオン導入」です。今では美容成分の浸透力の違いを実感することができ、患者様からの評判の高い医療技術として人気を集めています。
もっとも、美容医療になじみのない方からしてみれば、どちらもあまり聞きなれない医療技術であるため、「本当に肌への浸透力が上がるのだろうか?」「安全性は大丈夫なのだろうか?」などと不安や疑問を抱くことも多いと思われます。
エレクトロポレーションやイオン導入とは、具体的にどのような医療技術を用いた施術なのでしょうか。

この記事では、肌に有効成分を浸透させるエレクトロポレーションやイオン導入の技術内容や違いなどを解説します。
この記事を読むことで、エレクトロポレーションとイオン導入の仕組みや相違点などを理解でき、下記のような疑問や悩みを解決します。

こんな事がわかる

  • エレクトロポレーションとはどのような医療技術なのか
  • イオン導入とはどのような医療技術なのか
  • エレクトロポレーションとイオン導入の違い

エレクトロポレーションとはなにか?

エレクトロポレーションとは、電気穿孔理論と呼ばれているものです。
もともとは、遺伝子組織や抗がん剤などを効率的に組織に浸透させるために、ハーバード大学やマサチューセッツ工科大学などの研究所で確立された医療技術となります。
特殊な電流を用いて、皮膚のバリア機能に隙間を開けて、有効成分の注入を行います。肌に隙間を開ける分、直接塗るだけでは、なかなか肌に浸透しない高分子の美容成分やイオン化されていない成分(ヒアルロン酸など)を浸透させることができるのが特徴です。
また、直接針を入れて有効成分を入れるわけではないので、痛みやダウンタイムなどはありません。
刺激も少ないので、目の周りやくちびるなど、皮膚の薄い部分でも施術が可能になっています。
デメリットとしては、効果がずっと続くわけではないことです。持続時間としては、数週間から数か月ほどになります。継続的に行うことにより、肌質を改善しますので、定期的なメンテナンスが必要です。途中でやめてしまうと、肌質を改善することができないので、注意しましょう。
また、イオン導入よりもいろいろな成分を肌から通過させてしまう分、美容成分の中に防腐剤や着色料などの添加物がふくまれていると、エレクトロポレーションの効果で、添加物の成分まで、肌の奥まで浸透してしまいます。そのため、無添加のものであることが必要になります。

イオン導入とはなにか?

いっぽう、イオン導入(イオントフォレーシス)とは、微弱な直流電流の力でイオン化させた美容液の有効成分を皮膚の表面から奥深くに浸透させる方法です。
直接電流の力で肌に穴をあけるエレクトロポレーションと違って、原理がちょっとむずかしいですよね。わかりやすく説明しましょう。
通常、肌は角質というバリアに守られています。角質は油脂の膜なので、脂溶性、脂にとけるような物質なら肌に通過しやすいですが、水溶性、水にとけるような物質は通過しにくい性質を持っています。そこで、美容成分を浸透させやすくするような「工夫」が必要です。
そこで電気の反発を利用します。つまり、マイナス(−)に帯電した成分がイオン導入器から発生するマイナス(−)の電気と反発することを利用して、帯電させた美容成分が肌の奥深くまで入り込むようにする技術が「イオン導入」になります。
水に溶ける物質であればイオン導入は可能です。美容面では、よくビタミンCやトラネキサム酸などが用いられることが多いです。
エレクトロポレーションと同様に、刺激も少なく、ダウンタイムなどもありません。また、くちびるや目のまわりなど、肌のうすい部分にも使用することができます。
デメリットとしては、エレクトロポレーション同様に、肌質を改善するためには、定期的に肌のメンテナンスが必要である点があげられます。
また、原理的にイオン化できる成分しか肌の奥に浸透しないので、使える美容成分が限られてしまうことも欠点のひとつに挙げられます。

エレクトロポレーションとイオン導入の違いとは?

どちらも肌に有効成分を浸透させやすくする医療技術ですが、エレクトロポレーションとイオン導入は全く異なる医療技術であることがわかりましたでしょうか。
では、エレクトロポレーションとイオン導入の違いはなんでしょうか?
ひとことでいうと、「エレクトロポレーションのほうが、なんでも肌の奥に浸透させる。」これに尽きます。
イオン導入は、イオン化した美容成分を電気の反発を利用して、肌の奥に押し込む技術です。それに対してエレクトロポレーションは、直接肌に電流を用いて隙間を作る分、浸透力が高くなります。
また、ヒアルロン酸やコラーゲンといった、比較的分子量の大きいものも、肌のバリアを通過させるのが、エレクトロポレーションです。また、浸透率もイオン導入にくらべて約20倍も浸透させやすいという報告もあります。
「はやく有効成分をいろいろ浸透させたい!」という方はエレクトロポレーションがおすすめです。逆に、ビタミンCやトラネキサム酸など、厳選された成分だけを浸透させたい場合はイオン導入になります。

【まとめ】肌に有効成分を浸透させるエレクトロポレーションとイオン導入の主な違い

エレクトロポレーションやイオン導入で肌に有効成分を浸透させる方法、両者の違いなどを解説しました。
この記事では、下記のようなことが分かったのではないでしょうか。

この記事のポイント

  • エレクトロポレーションは、特殊な電流で肌のバリア機能に隙間を開け、有効成分を浸透させる技術で、高分子の美容成分やヒアルロン酸などイオン化させていない成分も、肌に浸透させることができる
  • エレクトロポレーションは痛みやダウンタイムがなく、皮膚の薄い部分でも施術可能だが定期的なメンテナンスが必要で、使えるのは無添加の美容成分のみ
  • イオン導入は、微弱な直流電流でイオン化させた美容液成分を肌の奥深くまで浸透させる技術で、水に溶ける成分であれば肌の奥まで導入できる
  • イオン導入も痛みやダウンタイムがなく、皮膚の薄い部分でも施術可能だが、定期的なメンテナンスが必要
  • さまざまな有効成分を速やかに浸透させたい場合は、エレクトロポレーション、厳選成分のみを浸透させたい場合はイオン導入が向いている

エレクトロポレーションもイオン導入も肌に有効成分を浸透させることができる画期的な方法ですが、自分の肌にどちらがあっているのか決め切れない方も多いと思います。

トイトイトイクリニックでは、施術のご相談を受けた段階で肌の状態を丁寧に確認し、どちらの医療技術がよいのかを含めてアドバイスさせていただきます。
どちらを選ぶべきか迷ったら、お気軽に当院スタッフまでご相談ください。

監修医師
医療法人社団雪焔会 トイトイトイクリニック
理事長・統括院長

監修医師 トイトイトイクリニック理事長・統括院長 野田 知路

野田 のだ 知路 とものり - Noda Tomonori -

福岡大学医学部形成外科、大手美容皮膚科院長を経て、医療脱毛、アートメイク、糸リフトをメインとする美容皮膚科クリニックを都内(渋谷・池袋・新宿)で展開中。
常に自分の家族ならこうしたいと考えるよう心掛け、「家族にも勧められる美容医療」を信条としています。

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