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アートメイクの施術技法について

アートメイクの施術技法について

アートメイクは、すっぴんでもナチュラルな美しさを維持できるため、幅広い年齢層に人気があります。とはいえ、アートメイクには難しい専門用語が多く、また「失敗した!」という口コミもあるため、施術をためらっている方も多いと思います。
そこで今回は、特に眉のアートメイクを中心に、理想の仕上がりに欠かせない施術方法や技術について解説します。

アートメイクの仕上がりを決めるのは「施術方法」と「技術」

アートメイクとはそういったものなのか、どのような手法があるのかをみていきます。

そもそもアートメイクとは?

アートメイクとは、専用の針などで皮膚のごく浅い部分に色素を入れ、皮膚を着色するものです。皮膚の深い部分に色素を入れるタトゥー(刺青)とは異なり、1~2年ほどで色が抜けていきます。
とはいえ、いったん色素が定着すれば、長期間メンテナンスが不要になります。そのため、「落ちないメイク」と呼ばれることもあります。
なお、アートメイクは医師または医師の管理下にある看護師による施術が認められている医療行為です。そのため、医療機関でなければ施術ができません。無資格のサロンなどで行われている違法なアートメイクと区別するために、あえて「医療アートメイク」「メディカルアートメイク」としているクリニックもあります。

アートメイクで大切なのは「施術方法」と「技術」

アートメイク用語で混乱しがちなのが、「施術方法」と「技術」です。ここで、その違いを整理しておきましょう。
まず、「施術方法」とは「色素を皮膚に入れていく手段」のことです。クリニック独自の名称が使われていることもありますが、手で色素を入れていく「手彫り」と、専用の機械を使う「マシン彫り」の2種類があります。
そして「技術」とは、「アートメイクの手法」のことです。これだけだとよくわかりませんが、「グラデーション」「3D」「4D」など仕上がりの濃さや毛並みの立体感に関するものです。
各施術方法・技術ともメリット・デメリットがあるので、その内容を次でくわしく説明します。

施術方法:「手彫り」と「マシン彫り」の違い

「手彫り」と「マシン彫り」の違いは、使う道具だけではありません。施術時間や痛み、仕上がりなどにも違いがあらわれます。

繊細な仕上がりが期待できる「手彫り」

「手彫り」は、先にハリがついたペン型の器具で、ていねいに色素を皮膚に入れていきます。
細かな「点」でグラデーションをつけたり、自眉のような「毛」を1本ずつ描くことで、繊細でナチュラルに仕上げることが可能です。
手彫りで1本ずつ眉毛をていねいに描きこむと、アートメイクと気づかれないこともあるので、「まわりに気づかれず自然な眉を手に入れたい」という方におすすめです。
手作業なので時間はかかりますが、色の濃さをコントロールできるため、眉頭や眉尻もきれいに仕上げることができます。

施術時間が短く痛みが少ない「マシン彫り」

「マシン彫り」では、専用のマシンで針を高速振動させて皮膚に色素を入れていきます。手彫りよりも施術時間が短く痛みも少なめですが、均一な仕上がりになりがちです。
ふんわりとパウダーメイクをのせた感じになるので、「いつもメイクしている感じにしたい」「朝のメイク時間を短くしたい」という方におすすめです。

両者のメリットを合わせたオーダーメイドが可能な場合も

クリニックによっては、手彫りとマシン彫りを併用する場合もあります。併用すると、手彫りのナチュラルさとマシン彫りによるふんわりメイク感の両方の効果が得られるので、より理想に近い眉を手に入れることができます。
ただし、施術時間が長くなり、費用が単独の場合より高めになることが多いです。

技術:「グラデーション」と「3D」「4D」の違い

アートメイクに用いられる技術には、「グラデーション」「3D」「4D」などさまざまなものがあります。ここでは一般的な技術について解説しますが、各用語とも明確な定義がなく、またクリニック独自の名称が用いられていることもあるので、施術を受ける際にはその内容をしっかり確認するようにしてください。

メイクのような仕上がりの「グラデーション」

「グラデーション」は、眉の輪郭の中にふんわりとパウダーをのせるように「点」でアートメイクを施す手法です。「3Dグラデーション」「パウダーブロウ」「パウダー眉」などと呼ばれることもあります。
手彫りとマシン彫りがありますが、いずれも色の濃さなどをコントロールして、眉頭から眉尻にかけて自然なグラデーションで仕上げます。
グラデーションを施す位置・濃さで印象が変わるので、事前のカウンセリングで仕上がりをしっかり確認しておきましょう。

1本ずつ眉毛を描く「3D」

「3D」は、手彫りで眉を1本ずつ描いていく手法です。クリニックによっては「4Dストローク」「マイクロブレーディング」という名称になっていることもあります。
こちらの手法は、自眉に合わせて色目や濃さを調節することで、アートメイクと気づかれにくい自然な眉に仕上げることができます。
ただし、自眉が非常に薄い方やほとんどない方の場合、横から見たときの立体感が乏しいので違和感を覚えることがあります。

グラデーションと3Dの長所をあわせ持つ「4D」

グラデーションと3Dを併用するのが「4D」です。3Dで自然な毛並みの立体感を表現し、さらにグラデーションを重ねることでメイクをしたような質感となります。
この手法であれば、毛量の少ない方でも自然な仕上がりを目指すことができます。また、自眉が部分的にしか生えていない方・残っている自眉の毛質がしっかりしている方でも、立体的な毛並みを再現することが可能です。
なお、一般的には3Dのあとにグラデーションを施すので、3Dの仕上がりをみてグラデーションをのせる位置を決めると失敗が少なくなります。

【まとめ】アートメイクの施術技法について

眉のアートメイクの仕上がりは、施術方法や技術・手法によって大きく異なります。一般的に、手彫りは繊細な仕上がりに、マシン彫りはメイクをしたような均一な仕上がりになる傾向がありますが、グラデーションや3Dの技術を組み合わせることで、より自然で理想の眉に近づけることができます。
ただし、アートメイクの用語はクリニックごとに若干ニュアンスが異なります。カウンセリング時には「手彫りか、マシン彫りか。」「メイクのような仕上がりなのか、眉を1本ずつ描く手法なのか。」をしっかり確認して、後悔のない施術を受けるようにしましょう。

監修医師
医療法人社団雪焔会 トイトイトイクリニック
理事長・統括院長

監修医師 トイトイトイクリニック理事長・統括院長 野田 知路

野田 のだ 知路 とものり - Noda Tomonori -

福岡大学医学部形成外科、大手美容皮膚科院長を経て、医療脱毛、アートメイク、糸リフトをメインとする美容皮膚科クリニックを都内(渋谷・池袋・新宿)で展開中。
常に自分の家族ならこうしたいと考えるよう心掛け、「家族にも勧められる美容医療」を信条としています。

ドクターコメント

トイトイトイクリニックのアートメイクは「4D」や「6D」などの表記は使用していませんが、他院で「6D」として説明されている技術が当院でも可能です。
さらに「パウダー眉」「ストローク眉」「ミックス眉」など技法で価格の違いがなく、当院ではすべての技法を組み合わせても「一律料金」です。
だからこそ一人一人の毛の状態に合わせて、自然で似合うデザインのご提案が可能です。

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